「よーし、初巻出てる」
「ああ、これって確かこの間こにしさんが言ってたやつっすよね?」
「そうそう、最近あんまり少女漫画は読んでないんだけど、この人の描くやつはハズれないから」
「あー、確かに。新連載に関してはノーマークだったんでこにしさんから聞いた情報しかおれ知らないんすけど、その人の描く話ってテンポと笑いが絶妙のタイミングで噛み合ってますよねえ」
「そう!さすがゆまっち分かってる!シリアスもコメディも‥台詞回しが上手いから引き込まれるしキメゴマとかの使い方が好きすぎてなんかもうどうしようもないのよねホント愛してる、ってわけでよしとりあえず今日は六冊購入決定」
「ならおれもお試しでトライしてみるっすかねえ」
「あら、ホントこれオススメよ、オススメ。ゆまっち好みのキャラはねえ、二話目に登場するはずだから。多分フォーリンラブっちゃうとあたしは踏んでる」
「え、そんなキャラ出てくるんすか!ならちょっとそれはチェックしとかないとっすねえ‥っと、じゃあ、これで合計24冊っすか」
「んー、まあ新刊発売日にしては狙い目少なかったしねえ。電車じゃ荷物多いと移動が不便だから今日は一旦これだけにしとこっか。お姉さまから頼まれた小説は納品遅れて明日届くらしいし」
「ま、でもそっちは実質発売日が明日になってたし納品遅れってわけでもないっちゃないっすけどねー‥やっぱ、ポップに印刷されてた日にち間違ってたんすね。公式サイトや雑誌見ておかしいなとは思ってたっすけど」
「うん、だよねえ。お姉さまも無かったら明日また自分で買いに出撃するって言ってたからそこまで心配は‥あ、そだ、とりあえず無かったってメール入れとかなきゃ」
「無いとは予想してても、メール見たら残念がるでしょうねー‥おれも残念ですし」
「ん、右に同じ意見。早く次の展開が気になるし‥どこが修正されて出るかが楽しみだもんね」
「あー、あの話そういや毎回修正箇所が地味に多いっすよね。規制?」
「や、批判とか?けどあたし的には雑誌掲載時のもすきだし修正版もすきだから二度美味しい感じ」
「うんうん。中身が分かってる分、逆に新鮮なんすよねー」
「ねー」
「‥あ、そういえばこにしさん」
「ん?なにゆまっち」
「今日は狩沢さんとこに手伝いには行かないんすよね?おれも声はかかってないし」
「うん、おねえさま今回そんなに切羽詰まってないから原稿間に合いそうって朝言ってたし。二人でらぶらぶらびゅんなデートでもして来なよーってさ」
「らぶらぶらびゅんなデート‥うーん、分かってないっすねえ狩沢さん」
「えー、なんで?」
「だって、おれらはいつでもどこでもらぶらぶらびゅんじゃないっすか」
「あはは、まあ否定はしないけどもだねえ」
「‥‥‥‥‥あ、いやでもこれはもしやあれっすかね、二人でらぶらぶらびゅんなデート、つまりいつも通りのらぶらぶらびゅんなデートでもいつも通りに貴方たちはしてくればいいんじゃなくって?ホホホホ、というニュアンスの果たし状?」
「なに、果たし状って、それどんなニュアンスの果たし状なの、てゆうかどうして果たし状なの」
「‥ああ、なんたる失態!それならもう、今日おれたちはいつもよりも更にらぶらぶらびゅんなデートをしないといけないっすよね!」
「ちょ、いやいや、なんでそうなるの」
「これはきっと挑戦状なんっすよこにしさん、おれは今日、男として試されてるんす‥!」
「え、え、いや待ってゆまっち、それなんかちょっといろいろちがう気が、」
「そうと分かったら早くレジっすよレジ!済ませて家に帰ったら、まったりと激しくもいちゃつきながら戦利品を二人で読み合いっこでにゃんにゃんごろにゃんっすよ!」
「ゆ、ゆまっち、まったりしながら激しくってそれ多分すごく難しいよ、てか手、引っ張りすぎ!あと読み合いっこもにゃんにゃんもいつも通り‥」
「善は急げっす!」
「うわわっ、転んじゃうってば!」
「でもそうは言っても、おれはらぶらぶらびゅんな愛がもっと、更にらぶらぶらびゅびゅんのびゅんなんだって早く確かめ合いたいんす!らぶらぶらびゅびゅびゅんしたいんす!」
「わ、わかったから、落ち着いてゆまっち、ストップ、レジに突っ込んだら危ない!!」
「店員さーん!おれたちの愛のために高速のレジ対応を!!」
「って、ぐぎゃ!!」
「うわああこにしさん大丈夫っすか!?」
「‥う、い、いたいぃ‥だ、だから危ないって言ったのに‥あたし、言ったのにい!!」
「あちゃー‥たんこぶできてるっすね、すみません。帰ったら、ぶつけたとこ舐めて治しますからそんなにおこらな、」
「ってゆまっちそれただ舐めたいだけでしょ何言ってんのばか!」
「‥あれ?ばれてるのはどうしてなんすかね‥やっぱりこにしさんはエスパーの、」
「そうよあたしはエスパーの、ってそうだったら最高だけど今まで何回似たことしてきてると思ってんのよ!いい加減あたしも学習するっての!」
「じゃあ‥大人しく舐められてくれてもいいじゃないっすか」
「っ、だから‥‥‥‥‥‥そうするにしたってこうゆう場所で普通の会話するボリュームで言わないでって言ってんのよ‥っばかああああああああ!!!」
一足飛びダーリン