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そして選手交代と言わんばかりに獄寺が煙草を咥えながらダイナマイトを握る。そんな獄寺に男は「おせぇぞ」と言うと一瞬の内にダイナマイトを真っ二つに斬り落とした。


「獄寺ッ!」


舞が声を上げるが間に合わない。男は洗練された流れるような動きで獄寺の体を蹴り飛ばし、彼は「ぐあっ」と痛々しい声と共に地面に打ち付けられた。


「う"お"ぉい。話しにならねーぞぉこいつら」


倒れた彼らを見下し男は愉快そうに笑みを溢した。死んどけ。そう言うと最後の留めを彼らに刺すように剣を振り上げた。するとパァンという銃声が響き、直後に男は肩に鋭い痛みを感じた。その肩に目をやれば赤いものがドクドクと流れていた。


「その人達にまだ手を出すんだったら今度は心臓を撃ち抜くから」
「ちょっとは、できるみてぇだなぁ。姫さんよぉ」


ジュルリ。男は舌舐めずりをして妖しく笑う。男だというのにどこかその表情は妖艶で、今の状況でなかったら目を奪われていただろう。


「お前とだったら少しは楽しめそーだが今回は無理だぁ!!代わりにそっちのカスを斬ってやるぜぇ!!」
「させない」


男の視線が自分の後ろにいるツナを見たことがわかり、舞は空かさず相手の鳩尾に向けて蹴りを入れる。「う"おっ」と男は声を漏らすが簡単に避けられてしまった。しかし相手が身を退いた隙を逃さない。拳銃をホルダーに戻し今度は回し蹴りを決めにかかった。


「女の力で俺に勝てるわけねぇ」


蹴り上げた足は容易に受け止められ、舞は「チッ」と舌打ちをしながら相手を睨みつけた。片足をとられ軸足だけで立っている状態。しかしまた拳銃を取り出し至近距離でズガンと弾を放った。


「なめないで」


はらり。男の銀髪が宙を舞った。あんな至近距離で避けるなんて、と舞はキッと歯を噛み締めると男はニヤリと笑った。


「結構やるな」


ーーでも俺に勝つことは不可能だぁ。


ぞくり。全身の毛が逆立つように舞の体は震えた。男は立っているだけだというのに何故にこうも恐怖を感じるのだろう。威圧による体の萎縮。これは男の方が自分よりも断然に格上ということを物語っていた。


「もう遊びは終わりだ。今はお前に構ってる時間はねぇんでなっ!」
「…!しまった」


舞は目を見開きながら男の行動を追った。男が次に狙いを定めたのは、舞の後ろにいるツナであったのだ。


「う、うわぁぁぁ!!」
「っツナ君!」


間に合わない。舞はツナの名を叫びながらそう思った。全てがスローモーションに見え自分の呼吸すらも止まったように感じた。目の前にあるのは絶望。それだけだった。しかしキラリと輝く剣はある人物によって受け止められた。それは先程倒れていた碧眼の少年である。


「いよお"ぉゴミ野郎。そろそろゲロッちまう気になったかぁ?」
「断る!!」
「ならここが貴様の墓場だぁ」


2人の戦いが益々激しさを増していく中、舞はツナへと走り寄る。彼は目の前の戦いに怯え震えてはいたが怪我はしてないようで舞はホッと息を吐く。するとツナの頭にポフっと何かが落ち、舞はそれに目をやった。


「な…え……?この手袋はー!!」


最初は何かわからなかったツナだが見覚えのあるそれに声を大きくする。


「手相を見せる時も真夏のうだるような暑い日でもその手袋はつけとけ」

「なっ、お前!」
「リボーン!!」


手袋をツナに渡したのは今まで姿を見せなかったリボーン。ツナは手袋を片手でギュッと握り締め、リボーンに駆け寄った。


「お前この大変な時に今までどこにいたんだよ〜!?」
「俺にも色々事情があるんだ」


リボーンの言っている意味がわからないツナは困り果てたように頭を掻き毟るがその時、再び少年が長髪の男に倒されてしまう。少年は吐血をしながら地面に吹き飛ばされた。そして今まで額に灯っていた死ぬ気の炎までもが消えてしまったのだ。


「う"お"ぉい。まさか俺に勝てるとでも思ったのかぁ?野良犬の分際で……話はそっちのガキから聞くことにしたぞぉ」


てめぇは死ねぇ!!男の鋭い剣が少年に振り落とされる。その刹那、ズカンと銃声がこの場で轟いた。


「復活(リ・ボーン)!!」


男の手首を掴み攻撃を凌いだのは死ぬ気モードとなったツナ。男はツナの変化した姿を見て目を見開かせた。


「ロン毛!!死ぬ気でお前を倒す!!」
「う"お"ぉい。なんてこった…死ぬ気の炎に…このグローブのエンブレムは…」


男は心底ツナに驚いたような表情を浮かべた。そして以前聞いた噂を思い出す。噂とは日本にボンゴレ10代目候補がいてボスにすべくヒットマンが教育しているというものだ。それでコイツが日本にやって来た意図がつかめた。


「そうか…お前と接触するために…益々貴様ら何を企んでんだぁ!?死んでも吐いてもらうぞぉオラァ!!」
「うおおお!!」


ツナが雄叫びをあげて拳を突き付ける。しかしその拳はアッサリと男に止められてしまった。グググ…とツナは力を込めるがそれよりも強い力の所為で一切動くことはない。


「う"お"ぉい。よえぇぞ」
「あっ!」


剣を一振りされツナの体は吹っ飛ばされた。舞も思わす声を漏らしてしまう。まるでツナは赤子のようだ。全然歯が立たたず、その後も男による一方的な攻撃は続いた。


「う"お"ぉい。いつまで逃げる気だぁ!?」
「ひいいっ」


遂に死ぬ気モードも解けてしまいまさに絶対絶命。死ぬ気でも勝てない相手に正気の状態で勝てる筈がない。今まで傍観していた舞であったがこれ以上は無理だと懐のヌンチャクを取り出した。


「あたしがもう一度っ」
「駄目だ。さっきやって敵わねぇことはわかっただろ」
「でもこのままじゃ…」


リボーンに止められ舞はギリ…と悔しげに歯ぎしりをする。すると男が再び剣を振るい、また剣から火薬が飛び出した。


「うわあああ!!」


ツナが叫び声をあげた時、少年の武器であるブーメランが火薬を吹き飛ばしその場で爆発をしたのであった。



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