もっと匂いが嗅ぎたくて、会長の胸元に顔をぐりぐりと押し付けると、会長から何かを耐えるような呻き声が聞こえた。
え、痛かったかな?
紅茶の匂いにぼーっとしながら見上げると、会長の顔が真っ赤だから痛かったのかもしれない。
悪い事したな〜
会長に悪いと思って、書記に抱きつくと優しく抱き返された。
あ〜、いい匂い。
「…ちくしょう!可愛すぎんだろ!なんだあいつ!」
「さっきまであんなに無表情だったのにね〜!」
「…気まぐれな猫に懐かれたみたいですね」
「尚人は前から可愛かったぞ!」
ひしっとみんなが俺に抱きついてきて、紅茶の香りが更に濃くなる。
あ〜、幸せ。
紅茶の香りと、彼らの体温にうとうとしていると、副会長に名前を呼ばれた。
もぞもぞと顔をあければ、副会長の綺麗な手で頬を包まれる。
「秋野くん、生徒会会計になってくれないかな?」
「いつでも匂い嗅がせてやるからよ」
「僕だって!紅茶もたぁくさん淹れてあげるぅ」
「俺は尚人が欲しい紅茶いつでも取り寄せるぞっ!」
それぞれに耳元で甘く囁かれる。
紅茶好きな俺にとって、それは 思ってもいない好条件で、迷う事なく頷いたのだった。
おわり。
中途半端ですね
もどる