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俺は今生徒会室にいる。
一般生徒立ち入り禁止の生徒会室に、何故いるのかと言うとその理由は俺の隣に座っている、つい一週間前に来た編入生にある。
全校生徒から慕われ、支持されている生徒会。
編入生である藤野は、その人気ある生徒会のメンバーに転入早々気に入られた。
いや、気に入られたって言うより惚れられたって言った方が正しいな。
ここは全寮制の男子校なので、勿論編入生も男だけどな。
まぁ女の子みたいにかわいい美少年だけど。
つまり、生徒会メンバーはホモだったってことだな。
まぁここの生徒の殆どはホモだけど!こわいよね!
藤野は編入してからずっと生徒会メンバーに囲まれている。
しかも編入したばかりなのに、生徒会から、該当者が居なくて空いたままだった生徒会会計に推薦された。
しかし、会計は2人必要だ。
あと1人メンバーが足りない。
そこで巻き込まれたのが、藤野と寮の同室になった俺だ。
何故か気に入られた俺は、藤野に無理矢理生徒会会計にされそうになっている。
俺と藤野が座っているソファーの、机を挟んだ向かい側のソファーに座っている生徒会メンバーからの視線が痛い。
めっちゃ睨みつけられてるんだけど。
「空ぁ、ほんとにそいつを会計にするのぉ?」
「おう!尚人と一緒に会計したい!」
男子高校生にしては高い声をした書記の川尻が俺を睨みつけてくる。
おいおい。めっちゃ敵視されてるよ。
藤野も勝手に答えてんじゃねぇ!
俺会計なんてめんどくさいことやりたくないし!
生徒会のファンになにされるかわかんねぇもん。
「お前に会計が務まると思えねぇな。」
「相変わらず無表情だしね。」
川尻に便乗して、会長をしている瀬野田と副会長の日野まで俺を睨みつけてくる。
何も喋らないのは特に話したくないからで、無表情なのは楽しくないから。
俺だって普段友達といる時は喋るし表情だって変わるっつーの。
相手にするのが面倒だから、無視を決め込むと、会長が舌打ちをする。
うわー、めっちゃ怒ってるよ。
生徒会室に陰湿な空気が漂う中、藤野が空気を読まずに口を開いた。
「なー!俺喉かわいた!なんか飲みたい!!」
「分かったよ。今持ってくるね?」
飲み物をせがむ藤野に、先ほど俺を睨みつけていたとは思えないほどの綺麗な笑みを浮かべ、給湯室に入っていった。
う、うわー、藤野にベタ甘すぎて引くわー。
喉が渇いて拗ねている藤野を会長と書記が宥めている。
イチャイチャしすぎて見てらんないわ。
あー、帰りたい。
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