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「たかいたか〜いっ!」
「あれ食いてぇ」
「まずは僕らの兄さんを探すのが先です」
「うぅ…ねむ…」
背中にはさっきから泣いていた圭くんをおんぶしていて、右手は敬語を使っている雅くんと手をつないでいて、左手はちょっと口が悪い吉良くんと手をつないでいて、前には無口気味な幸くんが俺にしがみつくようにしてだっこをしている。
何この幸せ家族みたいな感じ。
この子達が美少年ってのもあるけど、周りからすげー見られちゃってるよ…
今俺達は放送室に向かっている。
俺は放送部の部長をやってるから、放送室の出入りが自由にできる。
放送室で迷子の呼び出しをすれば大丈夫だろ。
「まだ着かないのか?」
「もうすぐ着くぴょん!」
疲れたように呟く吉良くんの手を握り直し、ぶんぶんと揺さぶる。
結構強い力でやってしまったけど、嬉しそうにしてるから大丈夫か。
「そういえば俺、兄ちゃん以外と手繋いだの初めてだな…」
「私もです…」
嬉しそうに笑う雅くんと吉良くんの言葉に眉を寄せる。
「ママとパパとは繋がないぴょん?」
俺がそう問いかけると、笑っていた顔を歪めた。
「あいつらは…仕事ばっかだから…」
「ママとパパ、いつもお家にいないんだぁ〜」
「執事やメイドはいますけどね…手を繋いだりなんかは…」
「金持ちだから、みんな離れてく。友達も…できない…」
そうか、こいつら兄がこの学園にいるって事はお金持ちの子だ。
親が仕事優先にするからあんまり会えてないのか…。
しかもここは全寮制だから兄ちゃんもあんまり家に帰れないだろうし…。
友達作るって言っても金持ちだから距離置かれんのかもなー
まだ小さいのにな、こいつら。
握っていた手を放し、圭くんと幸くんを下ろす。
急に離されてしゅんとしてる4人の手を強引に繋がせる。
俺の右手には雅くん、左手は吉良くん。雅くんの左手には幸くんの手、吉良くんの左手には圭くんの手を。
戸惑うように繋いでいる手を見つめる4人に、クスリと笑う。
「これで寂しくないぴょん!」
そう言うと、お互いの顔を見合わせ、可愛らしい笑顔を見せた。
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