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俺が戸惑っていることに気づいたのか、宇佐見先輩は必死に言い募って来た。

「野宮くんが嫌がることはしないって約束するからっ!…だめかな?」

上目遣いでそんな事言われたら断り辛いじゃん!
ま、まぁ可愛い子ちゃんに親衛隊作りたいって言われて嫌な筈ないけどな!
でもなー

「でも親衛隊作るって言ったって、メンバーは先輩だけですよね?そんなんでも作れるんですか?」

宇佐見先輩1人だけなら作る必要ないし…
そう思い訪ねれば、目を見開かせて首を横に振った。

「そ、そんな!僕だけじゃないよ!ここにいる子達みんな野宮くんの親衛隊に入りたいって…!」

ここにいる子達と言って先輩が指差したのは、廊下から俺を遠巻きに見ていた子達で…。

「えっ、これみんな!?」

「う、うん!」

廊下にいる子達って言ったら軽く40人くらいはいるんだけど!
そんなたくさんの人が俺の親衛隊に入りたいって言ってるの!?

「そ、それに…野宮くんが望むなら僕たち、夜のご奉仕だってしちゃうよ…?」

目をうるうるとさせ、恥ずかしそうに拳を口に当てて見上げながら言われた甘い条件に俺が食いつかない筈がなかった。

「是非お願いします」

即答すると、宇佐見先輩はやったぁとかわいく飛び跳ねた。
その様子を見た周りの子達もきゃーきゃーと騒ぎ喜びあっていた。

よ、夜のご奉仕ってつまりあれだよな…!?
俺こんな可愛い子達とにゃんにゃんしちゃってもいいのかにゃん!?

ぐへぐへと喜びに浸っていると、後ろから頭を思いっきり叩かれた。

「いたっ!?え、なに!?」

「親衛隊なんて許さないよ」

「…えっ?」

叩かれた頭をさすっている間に、肩をぐいっと引かれ、朝野の小さな体の後ろに隠された。
てゆか許さないってなに?

「朝野…?」

「裕太は黙ってて…」

朝野の様子を伺おうと後ろから抱きつき、顔を覗き込むと、朝野の目は鋭く宇佐見先輩を睨んでいた。
え、なんで宇佐見先輩に怒ってんの?

おろおろと宇佐見先輩に目を向ければ、先程までと一転して、挑発的な笑みを浮かべていた。
え、宇佐見先輩ですよね?

「親衛隊なんて作らないで」

「いーや!野宮くんは作ってもいいって言ってくれたんだもん」

ねーっとかわいい笑顔で同意を求めてくる宇佐見先輩にほわほわしながらも頷けば、朝野にギロリと睨みつけられた。

「裕太、今すぐ取り消して!」

いつになく強く言う朝野に首をかしげる。

「なんで?せっかく俺なんかの親衛隊つくってくれたのに〜」

不満げに口先を尖らせると、周りからきゃあっと歓声が響いた。
こ、こんなんだけでそんな喜ばれるの?
やっぱ親衛隊いいなぁ…
こんなきゃいきゃい言われるのって初めてだし何より夜のご奉仕が…ね、

「処女奪われてもいいわけ?」

「ん…?しょ、処女?」

俺の尖らせた口先に人差し指を押し当てる朝野から理解出来ない言葉が聞こえてきた
処女って…処女だよな?
いや俺男なんですけど。
てゆかなんで親衛隊作って処女失うの?
失うって言うなら童貞のほうじゃね?


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