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「間に合ったぁ〜」

「裕太走るの遅すぎ」

「う、うるさい!いいじゃん間に合ったんだから!」

一生懸命走ったので、二分前には体育館につくことができた。
俺の足が遅いあまりに、途中からは朝野に引っ張ってもらってたけど。

大きな体育館の扉を開ければ、もうほとんどの生徒が集まっていて、一気に視線が俺たちに集まった。

「か、かわいいこちゃんばっかり!!」

俺たちに目を向ける生徒達は皆可愛かった。
美人系だったり可愛い系だったり。
背もみんな小さくて、俺よりも大きい子が見当たらない。
見事に美少年だらけだ。

「…裕太そればっかり……。」

「だって可愛いくない?」

「…っ、知らない!」

俺の発言が気に入らなかったのか、なぜか怒ってしまった朝野の頭を撫でてなだめてみる。
うん、さらさら。

唇をかみしめて、笑うのを我慢してる朝野にクスリと笑う。
朝野は顔に出やすくてかわいいなぁ。

朝野のかわいさにもだもだしていると、先生が席に座るように言ってきたからしぶしぶ朝野の頭から手を退いた。先生までかわいい系なのか。

「えーっと、A組はあっちだってさ」

「知ってる」

A組と書かれたパネルが立っている所に向かう途中も周りからの視線が外れない。
なんでこんな見られてるんだろ。

見渡せば、みんな頬を染めて近くの子達と何かを言い合っている。
俺と目が合えば、きゃあっという女の子見たいな嬉しそうな声も聞こえる。

え、なにこれ。
かわい子ちゃん達が俺を見てきゃーきゃー言ってる…っ!
え、嘘!俺ついにモテ気!?

残念な事に俺は今までモテた事がない。
原因は主に俺の特に特徴のない顔のせいだろう。
お年頃なのに恋人ができた事がない。

そんな俺が、かわい子ちゃん達からきゃーきゃー言われるなんて…!

調子に乗った俺は、俺を見て頬を染めている子達ににこりと笑いかけた。

とたんに、きゃぁああっ!と可愛らしい声が響く。

みんな顔真っ赤にしちゃってかわいいなぁ…っ!

デレデレと頬を緩めていると、朝野に腕を引っ張られ、席まで連れて行かれた。

「朝野…?」

「……浮気者」

俺の隣に座った朝野から可愛すぎる発言が聞こえた。

なんで朝野ってこんなに可愛いんだろ…

「朝野が一番可愛いよ」

「…当たり前…。」

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