1


「なぁ!俺たち両思いだからいいよな!?」

「え、なにっ!?両思い!?なんで!?」



なんでこんな事になってしまったんだろうか…

俺は今、同室者に寮部屋のソファーに(不本意だけど)押し倒されている。
なんでこんな事になったのかは俺にも分からない。
学校から帰ってきてソファーに寝転んでいたら急に俺の上に乗り上げてきた。

二週間前に編入してきて、偶然一人部屋だった俺の同室者になった、今俺の事を押し倒しているオタクルックな立花 航。
会った時から抱きついてきたり手繋いできたりとスキンシップが激しかったけど、まさかこんな状況になるとは……。

思考を飛ばしている間にも立花の手は動き回り、制服のカッターシャツを脱がされそうになっていた。
もう半分以上はボタン外されてるしっ!

「ちょっ、やめ…っ!やめろよ!」

「やだっ!なんで抵抗するんだよっ!」

するわ!抵抗するわ!
急に訳もわからず自分と同じ男に押し倒されてみろ!
めっちゃ怖いからな!

必死にもがき抵抗するけど立花に片手で俺の両腕を押さえつけられてるし、思いのほか立花の力が強くてなんの抵抗にもならない。
抵抗するのに疲れて、もういいや別に、なんてとんでもない事を考えはじめていると、
救世主がやってきた。

「航、遊びに来たぜ」

誰かが後ろに数人引き連れて突然部屋に入ってきた。
必死すぎて玄関のドア開ける音聞こえてなかったんだな…

…って、その前に!なんで勝手に部屋に入ってきてんの!?
しかも生徒会長だし!
こいつ絶対マスターキー使って入ってきたな。
よく見れば会長の後ろについてきていたやつらも生徒会だ。
たしか副会長と会計と書記。
こいつらなに当然のように部屋に入ってきてるんだよ…

まぁ今はそれは置いておこう。
今は何よりも俺の貞操を守るのが最優先だ。


prev next
もどる

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -