青い冬の日 | ナノ

ふぐ太様宅(まんぼう)の圭さんと拙宅のデルタのコラボ。



二つ上のアイツと付き合いはじめてから、自然と二人で帰ることが多くなった。
今日みたいに俺がアイツを待つこともアイツが俺を待つこともあって、二人で特になにをするでもなくだらだら喋りながら帰る。財布に余裕があれば買い食いしたりゲーセン行ったり飯食ったり適当に。グザイやイプシロンに言わせれば場所のチョイスが「カップルっぽくねぇ」らしい。うっせーな牛丼うめーじゃねーか
よ。
まあ確かに牛丼屋とアイツはすげー似合わなかったけど。


「誰待ってるんスか?」
「っ!?」
ひょこ、と覗き込まれて少し固まる。なんだカッパお前かよ。なんだってなんスかもー。うっせーどっか行け。
「言われなくても帰るっスよー。家帰って英語やんなきゃだし」
「はやく帰れよ」
言いながらマフラーを鼻先まで引っ張り上げる。ああカッパって三年だったっけか。それを思い出すのと同時にアイツも同じだってことを思い出した。
今の時期受験生っていうのはすげー忙しいもんの筈で、本当ははやく帰って勉強とかしなきゃいけないんじゃないんだろうか。そういえば俺、アイツの進路のこととか聞いたことねー。
今まで気にならなかったことが、ぐるぐる頭の中を回りだす。


「デルタ?」
肩を叩かれてはっとした。勢いよく振り返るときょとんとした顔の圭が立っている。いつの間にかカッパは帰ったらしくいなくなっていた。
「悪ぃ、遅くなった」
急いできたらしくちょっと乱れた息を整えながら圭は眉を下げる。別に。そう答えるとほっとしたみたいに顔が緩んだ。

「雪やまねえなあ」
ちらちらと降る大粒のそれに目を細めて圭が呟く。隣を歩きながら俺が考えるのはさっきから引っ掛かっていることで。
「お前さ」
「俺さあ」
元々ぐじゃぐじゃ考えるのは向いてない。ならさっさと聞いてしまえばいいと口を開いたのはばっちり被った。
「なに」
空にあった視線が移る。

聞きたいことは色々あった。勉強大丈夫なのかとかどこのガッコ受けるのかとか、俺と付き合ってる時間あるのかとか。ちょっと考えただけで沢山出てくるそれらのなかでなにを一番言いたいのか。
「キツかったら、言えよ」
それは疑問というより念押しの形で口から飛び出した。
コイツはきっと俺に言われるまでもなく勉強も他も全力でやってる。俺との時間も同じように全力で作ってる。なら俺が言えることなんてないじゃねーか。

「…いきなりだな」
「うっせーよ」
呆気にとられたように目を丸めるアイツの背中を叩くとふは、と息が漏れる音がした。
「男前すぎて惚れ直すわ、デルタん」
「デルタん言うな」
くつくつと喉を鳴らして笑う。改めて見ると見慣れた整った顔はやっぱり少し疲れて見えた。

「…無理すんじゃねーぞ」
「おー」
デルタのそういうとこ好き。小さく届いた声はいつになく弱っていて。
言ってろバーカ。なんて返しながら冷えて赤くなった俺よりずっと細い手を握った。



青い冬の日





>>ふーちゃんからデル圭頂いてまいりましたー!
受験生な圭さんと後輩デルタんとか私キュン死するしかないじゃない…!頑張ってる圭さんを不器用ながらに励ますデルタん…!青春!いや、青冬ですねごちそうさまです!
もう本当にこの二人デル圭になったり圭デルになったり、一粒で二度美味しいですね!
あと牛丼に行く二人を想像して萌えました^^何それ私その牛丼屋さん行きたい。
そしてカッパ(笑)良い味出してますね!カッパも受験頑張れ!(笑)

ふーちゃん有難うございましたー!

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