「ん、おはようさん。ねぼすけやね」
「………は?」
目が覚めたら、家に恋人がいた。ちなみに今日は平日であり通常であれば彼は仕事のはずだ。アラームの音で起きたはずなので夜だということではない。同棲をしている訳でもないので、有り得ない状況に頭が追いつかない。
「な、なんで」「合鍵使うたわ」
そうじゃない、と言おうとしたところで彼に抱きかかえられるようにして起こされて、そのままぎゅっと抱きしめられる。ねぼすけ、と言った通り時刻は昼前であり、午後から仕事の予定だった。
「開校記念日で学校休みやったんよ。言うの忘れとったと思て。仕事なのはわかっとったけど、会いたなって来てもうたわ」
「なっ、ぁ、」
「…駄目やった?」
本心だからか、なんの淀みも羞恥もなく言いきられた言葉に言葉を失い、その後の確認に追い討ちをかけられる。鈍い、鈍すぎる。駄目なわけがない。
「ろしょくん、ほんと、そういうところだよ…」
「は?何言うとんねん。はよ顔洗い。飯作っといたるから」
「だいすき………」「おん、俺も」
ゆるゆると笑って抱きしめていた腕を離すろしょくんは幸せそうな表情をしていて、ああもう本当に、とため息をつきたくなる。…今日、仕事休もうかなあ。

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