ジリリリ。ピピピピ。私の目覚まし時計とろしょくんの携帯電話のアラームが一斉に鳴り響く月曜日。止めるのはいつしか私の役目になっていた。眠っている時特有の体温の高さが心地好いがそうも言っていられない。ろしょくんの腕の中を抜け出して音の発生源を止める。そっとろしょくんの腕の中に戻って、眉間に皺を寄せて寝ているろしょくんの瞼にそっと口づける。睫毛が長くて綺麗だ。

「ろしょくん、朝だよ」
「ん……」
「あーさーだーよー」
「わかっとんねん…」

これ以上は私が間に合わなくなると判断してひとり布団から飛び出した。顔を洗ってスキンケアをし、髪の毛を整えながらカーテンを開ける。それからフライパンを温める。昨日の晩御飯の残りをレンジにかけて、卵をといて、と、日々のルーティンを行っている途中でようやく起きてきたろしょくんの足音がぺたぺたり。

「ろしょくん、おはよ!」
「おはようさん…あー、まだ眠いわ」
「顔洗っておいで!朝ごはんちょうどできるから」

眠たげにしながらもすれ違い様「ありがとうな」と必ず言ってくれるろしょくんは優しい。月曜日は職員会議があるらしく、いつもより早い出勤だ。出来上がった朝ごはんをテーブルに並べて、お弁当の中身をつめて置いておく。冷めないうちに着替えを済ませてお茶を持って戻れば、髪の毛をセットし終えたろしょくんがいた。

「んひ、きょうもかっこいいね」
「なにアホなこと言うとんのや。ん、いただきます」
「はーい!めしあがれ」

私もいただきます、と手を合わせてふたりで朝ごはんを食べ進める。ニュースを見ながらぽつりぽつりと会話を交わし、食べ終わったらふたりで歯磨き。それが終わったらろしょくんは新聞を読むので、読んでいる間に私はお化粧を済ませる。時刻は6時22分。30分に出れば間に合うので、今日は余裕がある方だ。

「できたか? 行くで」
「はーい!」
「忘れ物ないか? スカーフ持ったか?」
「もった!おべんともった?」
「おん。持ったで」

ろしょくんが先に家を出て、私が鍵を閉める。二人で階段を降りて車に乗り込んだ。ろしょくんはもしかしたら仕事始めの月曜日が嫌いなのかもしれないが、暦通りの休みでない私は月曜日が大好きだった。週に一回、この日だけはろしょくんと一緒に家を出られるからだ。

「ろしょくん、会議がんばってね」
「そっちこそ今日もがんばり」
「うん!帰りは私の方が遅いかも」
「わかった。なんかつくって待っとるね」

見慣れた職場についてしまって、車を降りて手を振る。やわらかく、やさしくかけられた「行ってらっしゃい」に元気よく「行ってきます!」と返す。車が見えなくなるまで手を振って、くるりと振り返る。今日もがんばるぞ!

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