「ろしょ、く………」
「ん。なんや、おるよ。眠いんやから寝とき」
「ん……、ん、」

微睡みの中、私より高いろしょくんの体温に包まれている。名前を呼べば返事をしてくれる。その行為の幸福をろしょくんは知っているだろうか。

「どこにも行かんって。…ほら、聞こえるやろ」

どくどくと心臓が動いている音がする。ろしょくんの心音を聞いて、どうしようもなく安心してしまうのは最早癖のようなものだった。ろしょくんはそれを嫌がらない。

「おやすみ。いい夢見ぃや」
「…おやす、み」

いつも私が眠るまで寝ないでいてくれるろしょくんの、笑いをこらえるかのような表情が今日の終わりに焼き付いた。おやすみ、ろしょくん、またあした。続いていく日々を、きみといっしょに。

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