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こんにちは。管理人のミライです。
連載「Wunsch」完結になります。
ここまで読んでくださった皆々様、本当にありがとうございました!

あとがきというか、解説といいますか
補足のようなものをつらつらと書き綴ろうかと思います。

思い入れ深い作品だから色々書き留めておきたいという、私の自己満の文章になります。

もし読んでくださる方がいるならば
ああ、そういうことだったんだなあ。と
思いながらお暇な時にでも読んでいただけると幸いです。

OKだよ!という方は下へお進みください。




***




この作品はラストから構想が始まりました。

夢主とリヴァイが再会する場面が浮かんで、そこからスタート地点まで妄想を膨らませた感じです。
なので、事実上の最終話は2人が再会した「17 誓い」になります。
ただ、とても沢山の人に読んでいただけて、感想も嬉しいものばかりで、もう少しだけ書き進めようと思い、結婚式の場面で完結にさせました。

この物語は大団円を迎えましたが、
あの結婚式の1ヶ月後には壁外調査が待っていて、リヴァイ班のメンバーは悲しい結末を迎え、ストーリーはどんどん深いものになっていきます。
リヴァイもそれこそ恋愛どころじゃなくなるでしょう。
それでも、この日だけは。
そんな思いで書いた最終話でした。



◆夢主について

可哀想な生い立ちにしたのは、元の世界に未練を残さないためです。
19歳の女の子が異世界に行ったとして、そこでどれだけ大切と思える人に出会ったとしても、家族や生きた世界を捨てる決断はなかなかできないと思います。
リヴァイ>元の世界
という考えにさせるために、あえて両親がおらず、引き取ってくれた親戚とも不仲な設定にしました。

蛇足かなあと思いましたが、元の世界に戻ってからは叔母と和解しました。
これも年齢的な理由で、愛する人の死や急に彼と生きた世界から離れるというのは、20歳そこそこの女の子が背負うにはあまりに悲しい出来事です。
それを支えてくれる人に傍にいてほしかったので、叔母を再登場させました。

あとはとにかく感情移入しやすいように、癖のない女の子になるよう書きました。
家事が得意なのは、あの世界で生きていくための身近な武器になると思ったからです。



◆リヴァイについて

めっちゃ夢主に優しい。
あそこまで優しく描けたのは、「兵長と部下」ではなく「リヴァイと女の子」だったからかもしれません。
また、出会ったのが地下街にいた頃だからかなと。

悔いなき選択のリヴァイは、ファーランとイザベルをとても大切にしています。
それは彼が若く、まだ世界の広さを知らなかった(壁の外の残酷さを知らなかった)からこそなのかなという感想を抱きました。
身近な幸せが大切で、それを守るために生きてるみたいな。
(※あくまで私個人の感想です!)

もし兵長になってからのリヴァイが夢主に出会ったとしても、ここまでの関係にはならないだろうなって。
物語の始まりを悔いなき選択の前あたりからにしたのも、それが理由です。

原作だととにかく色んなものを犠牲にして戦っているリヴァイ兵長なので、こちらの連載では「一人の男」として生きることを望む姿を描きました。
だから「壁の外のことなんざ」とか、言っちゃうんですね。

こういう箇所で「ん?兵長ってこんなだっけ?」と思わせてしまったら申し訳ないです。
創作ということで、原作とは違う部分も大幅に入れて書き進めました。



◆オリキャラたち

主に悪役としてオリキャラが出ました。
夢主を助けてくれる存在として、医者や料理長もちらほら。

ロレ・フランツはちょっと特別でした。
ドイツ語でRolle(ロレ)は「役割」という意味があります。
リヴァイの部下として働き、夢主が元の世界に戻ったことをリヴァイに伝えてくれたのは彼です。
その後もずっとリヴァイの味方でいてくれました。
様々な「役割」を担ってくれるキーパーソンとして、後半は出番が多かったです。

ファーランに雰囲気が少し似てるのは、リヴァイが不快感なく、傍に置いて安心できる部下になってもらうためでした。



◆世界移動の理由

お気づきの方も沢山いると思います。
夢主がトリップしたのは
「願い事」をしたのと「月」の存在です。

月に願い事をすると叶う
というジンクスは有名かもしれません。
実は、管理人はそういったジンクスは信じていない方です。
ただ、トリップものというファンタジー要素の強い作品なので、「願い事」を一つの大きなテーマにしました。

願うだけで叶うというのはもはや何でも有りになりかねないので、制限や条件をつけました。

1.一つの世界で、1人につき一度しか願いは叶わない
2.月が願いを叶えるのは新月の夜だけ
3.ムーンストーンに込められた願いが叶うのは満月の夜だけ

夢主は新月の夜、二度願っています。
それにより世界移動を2回しました。
本来であれば、もう回数を使い切っているので願いは叶わないはず。

しかし、リヴァイは満月の下の湖でムーンストーンに強く願いを込めました。
夢主に「いつでも傍にいてほしい」と。
元の世界で夢主が満月を見ながら彼を思った時、ムーンストーンに込められたリヴァイの願いが叶った。

という、
ややこしい流れになっています(汗)

ムーンストーンに関しては、
chapter02で追加した設定です。
夢主の誕生日を6月にしたら丁度ムーンストーンが誕生石で月が関係してる!
と感動して、「リヴァイが願う」という場面を後々に入れました。



◆元の世界に戻った際の時間経過

夢主が元の世界に戻った時、何故か1ヶ月しか時が経っていませんでした。
これは、「新月の日の願い事は1ヶ月後に叶う」というジンクスからきています。

夢主は回数を全て使い切ったので、もう願いが叶うことはありません。
「願いは全て完了した」ということで、元の世界の、初めて願い事をした日から丁度1ヶ月後の日に元の状態で戻ってきました。

これもややこしいですね!
すみません!(汗)




◆願いについて

願って叶う、
なんて他力本願かもしれません。

もし月には本当に力があったとして、条件が揃ってたとしても叶わないことの方が多いでしょうし、叶ったとしたらそれは奇跡に近い確率だと思います。

夢主の願いが二度も叶ったのは、リヴァイの言う通り「特別」だったからです。

でも、それは不思議な力があるということではなく、人の上に立つ才能があるとか、人を魅了する才覚があるとか、そういった「特別」の内の一つだと思っています。

「どうして私が」と思うような特別が夢主にとってはそれだった。

「必要としてくれる人に会いたい」と願って辿り着いたのがあの世界だったのは、彼女にとって一番良い相手がリヴァイだったから。
元の世界に良い人がいれば、その人と巡り会えたでしょう。
現代人の観点から見れば、生活苦も少なく、巨人に恐怖することもない後者の方が幸せかもしれません。

「消えてなくなりたい」と願って辿り着いたのは元の世界。
「死」ではなく「世界からの排除」という形で願いは叶えられました。

こうして見ると、新月の願いは思ってもみない形で叶えられています。
コントロールが難しいといいますか。
なので捉えようによっては、夢主の「特別」は貧乏くじと言えるかもしれません。


ただ、一度元の世界に戻っても、夢主はリヴァイと生きた世界へ戻ることを望みました。
文明の進んでいない不便な世界だとしても、もうリヴァイはいないとしても、そこに迷いはなかった。
それこそが、彼女が手に入れた一番の強さとか、かけがえのないもののような気がします。



◆最後に

長々となりましたが、
「願い」によって数奇な運命を辿りつつも、彼女自身にとって一番の幸福を手に入れる、というお話を書きたくて始まったのが「Wunsch(願い事)」でした。

大筋は決まっていたので
もーっと早く完結する予定だったのですが
私の体調とか、表現の仕方に悩んだりで
完結するのが予定より遅れてしまいました。

連載を投げ出そうと思うことはありませんでした。
拙い文章、表現力で読みにくいことも多々あったかと思います。
けれど、最後まで書き走ってこれたのは
ひとえに読者の皆様方のお陰だと思っております。

本当に本当に
ありがとうございました!!!

もしかしたら、アフターストーリーを書くかもしれません。
その時は、良ければまたこの夢にお付き合いくださいませ。



では、こちらで長い夢は終わりになります。
皆様に感謝を込めて。

管理人ミライ
2017.04.26〜2018.01.03



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