49 全国大会が終わって2日後、全国大会後初の部活があった。 「皆ええか?」 コートに集まった私達に、声をかけたのは白石部長やった。 「何やねん、白石」 「実はな、今度青学と練習試合しようと思うねん」 「え、青学と!?」 「せや」 「それってまた東京行くっちゅーことなんか?」 「いや、青学に来てもらおうと思う」 「ほなコシマエと試合できるんかー?よっしゃー!ワイ賛成!」 「よかったなぁ、金太郎さん」 ルンルン気分で、ストレッチを始める金ちゃん。白石部長が、ほな3日後に青学来るからな、と告げて部活が始まった。私もドリンクを作りに部室に戻ると、白石部長と小石川副部長が来た。 「千奈。頼むな、青学との練習試合」 「え?」 「青学にはマネージャーおらんから大変やと思うけど」 「マジっすか」 「でも、何で白石。いきなり青学と練習試合やねん」 「金ちゃんには越前とちゃんと試合させてやれへんかったし、財前にも変則的な試合をさせてしもた。それに他の後輩にも今年の全国優勝のチームと練習試合やらせてあげたいなって思ってん」 「そうか」 「それぐらいしか俺が部長として後輩にしてあげれることってないやろ?」 「白石部長…」 白石部長はホンマは金ちゃんや財前くんにちゃんと試合をやらせてあげれへんかったことに、一番責任感じてたんやろな。そして自分が部長として最後にできるとを考えてたんや。最後か…。 もうすぐ3年生は引退です。 白石部長の最後の仕事 (青学との練習試合) (楽しくなるとええな) END |