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熱かった夏が終わりを迎えた。

準決勝で青学に敗れたうちらは、帰る準備をしている青学に挨拶をしに来た。ここでビックリしたんが、小春先輩がユウジ先輩を寄るなやと一喝したことやった。あれ?小春先輩とユウジ先輩って仲良いわけちゃうん?そしてうちらが帰ろうとしたときやった。


「あり?ワイは?」

「金ちゃん…」

「ワイとコシマエの試合まだ残ってるんやろ?」

「終いや、金ちゃん。帰るで」


白石部長がそう言っても、金ちゃんは嫌や嫌やと聞かへんかった。やりたかったんやろうな、コシマエくんと。一方のコシマエくんは、たまごヘアーの先輩にケガでもしたらアカンと言われて、帰ろうとしていた。


「待ちやー!逃げるんか?」

「金太郎はん。来年まで辛抱しいや」

「アホ!来年まで待てへん!」

「諦めるんや金ちゃん!残念やけど人生には思い通りにならんこともあるんや」


白石部長のその言葉に、しゅんとなる金ちゃん。白石部長は、去年今の金ちゃんと同じ気持ちを味わってるんや。ホンマは一番やらせてあげたいんは白石部長なんや。そのとき、やってやれよ、という見知らぬ人(青学の1年トリオの知り合いらしい)の言葉に、コシマエくんは1球だけ試合してくれることになった。

そして始まった金ちゃんとコシマエくんの1球勝負。金ちゃんの野性的な動きで、無我のなんちゃらを発動しているコシマエくんと互角に渡り合っている。


「金ちゃんは、うちらの誰よりも強いで」


ほぼ互角。お互いに負けたくないという思いから、1球勝負やのに、もう40分も試合している二人。白石部長は、これ以上やるとコシマエくん決勝戦で使い物にならんくなるとか言うてるし!コシマエくんのためにも、この辺で終わりにしとかへんと…。でもそんなん金ちゃんが知るわけもなく、ついに無我の副作用がでたコシマエくんに、ついにあれをやってしまう。


「みんな伏せえ!あれはワシの百八式より危険やー!」


師範のその言葉にビビる青学たち。あれはホンマに危険すぎる。まわりまで巻き込むんやもん。


「スーパーウルトラグレイトデリシャス大車輪山嵐!」

「まともにいくなー!」


砂埃が舞う会場。勝負はというと、真っ二つに割れたボールがそれぞれのコートに落ちていた。まさかコシマエくん、金ちゃんのあれ打ったんか!?ありえへんやろ。


「試合してくれておおきにー!今度はちゃんと試合しよなー!」



一球勝負

(流しソーメン奢ったるでー)
(何でよりによって焼き肉屋の前やねん!)



END





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