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感動的に終わったシングルス2。


「皆、すまない」

「しゃーない、しゃーない!かっこよかったでー!」

「そうやで、師範!めっちゃかっこよかった」


続いてダブルス1の試合が行われる。

ダブルス1は財前くんと謙也先輩。けど、電光掲示板に表示されたんは、謙也先輩でなく、千歳先輩の名前やった。


「えっ!?千歳先輩って退部したんちゃうの?」

「まだ大会途中や!退部なんて認めてへんでー!」


なんて呑気に千歳先輩を呼ぶオサムちゃん。え、でも…っちゅーか謙也先輩おらんし!確かに青学の手塚さんはめっちゃ強いらしいし、千歳先輩はやりたがってたけど…。


「私、千歳先輩探してきます」

「千奈ちゃん!?」


会場中を走り回っていると、妹さんと一緒におる千歳先輩を発見した。そこには謙也先輩もおった。


「強い奴がコートに立つのが当たり前っちゅーもんや」

「謙也…」

「やりたいんやろ?手塚国光と。お膳立てしといたで」


謙也先輩…。千歳先輩が急いで着替えに行ってから、謙也先輩と目が合った。


「謙也先輩、ほんとはやりたかったんじゃ」

「さっきも千歳に言うたけど、強い奴がコートに立つのが当たり前や。俺が出ても、勝てへんやろ」

「でも、」

「俺より千歳が強い。俺よりも財前のほうが強い。そしたらその二人がコートに立ったほうが勝てるやろ」

「謙也先輩…」

「この試合。一番辛いんは俺やない。千奈ちゃん、財前のこと見ててあげてな」

「え?」


ほな、戻ろか。そう言うて、謙也先輩は私の背中を押した。皆の場所に戻ると、財前くんは、アホっすね、と言った。


「謙也さん、アホっすよね」

「何やて!?」

「ま、しゃーないっすわ」

「どういう意味やねん!」


ほんとは一番謙也先輩とダブルスやりたかったんは、財前くんなんやろな。ずっと一緒に練習してきたんやし。それでも、勝つためには仕方のないこと。



勝利を託す謙也先輩と、託される千歳先輩。そして財前くん

(変則シングルスって)
(そんなんありなんすか?)



END





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