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ダブルス2が終わり、続くシングルス2。

我らがパワープレイヤー師範の試合。相手は青学のなんやようわからんけど、ラケット持ったら性格変わる人。おかしいやろ。あれで普通に接してんのが不思議すぎるわ。

初っ端から青学の人は、師範の弟のを見て打ち始めたという波動球を繰り出す。けど、それは元祖波動球を持つ師範。ことごとく無効化しては、マジな波動球で返す。ちゅーか、めっちゃ飛ばされてるやん!ありなん!?それでもあえて波動球を打ち続ける青学の人。


「所詮青学のお荷物ですよね?河村って」

「財前くん!」

「財前。言葉には気ぃつけなさい」

「はいはい」


ざざざざ財前くん、何言うかと思えば!!どんだけ強気やねん!相手3年生やし!っちゅーか、財前くんがあの中おったら間違いなく吹っ飛ばされてんで!なんて言えれへんけど。前は確実に言えたのに。あー、もうこんな自分が嫌やー!


一方師範と河村さんの試合は、ついに師範の腕を心配したオサムちゃんが波動球をやめさせ、河村さんの波動球をただ無効化して返すだけやった。それでも波動球を打ち続ける河村さん。何でそないに自分の体に無茶させてまで波動球にこだわるんやろ。


「もうやめればええのに。体壊すだけなら」

「千奈。それでも河村クンは、波動球で挑みたいんやろ。波動球で銀に勝って、日本一のパワープレイヤーになりたいんやろうな」

「そんな……」


そして、そんな河村さんの心を察してか、師範が波動球で応じるようになった。それでも吹っ飛ばされる河村さんを、青学の皆は受け止めた。何か…かっこいいやん。盛大な拍手でコートに戻る河村さんを迎える。

そして意識を失いながら打ったサーブが、奇跡を起こした。もう動かない師範の腕。


「銀…」

「終いや、銀。折れとるわ」


こんな試合が行われるなんて知らんかった。たった一球。勝ちたいと思うその気持ちだけで、奇跡は起こるんや。




感動的な師範の試合

(全国ってすごいんやな)



END





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