41 全国大会準決勝。初戦、白石部長対青学不二さんの試合。初っ端から白石部長の聖書テニスで追い詰めていくも、天才不二さんがトリプルカウンターに磨きをかけ、さらになんたらかんたらの門番で白石部長のボールが一切ネットをこさないという状況に陥った。 「ちょ、どういうことなんすか」 「ロブをあげてもネットをこさへんなんて」 「ありえへん!」 けど、そこは白石部長。冷静に不二さんのボールを分析する。そして少しずつやけど、ボールはネットの上のほうへとあがっていった。 「気付いとるか?」 「えっ、えっ、小春先輩。白石部長、なんでボールがあがるようになったんですか?」 「よう見てみ、千奈ちゃん。不二君のあの超スライスに対して蔵リンはそのスライスを打ち消す回転をかけてんねん」 「そんなことできるんですか!」 「それが出来るのが聖書テニスの蔵リンやないのー!」 そして白石部長のボールは、ついにネットをこした。 「とらえたな、白石。お前の勝ちや」 完全に不二さんのなんたらかんたらの門番を攻略した白石部長は、あえてコードボールを打ち続けた。不二さんもすごいけど、白石部長もさすがやった。 「してんほーじ!してんほーじ!」 そして最後。白石部長の打ったコードボールに、喰らいつく不二さん。そのボールはわずかにアウトやった。勝った。白石部長の勝ちや。 「強いな、自分」 「君もね」 不二さんに勝ったものの、完璧を求める白石部長は、納得がいってへん感じやった。 「勝ったモン勝ちや。せやろ?」 「せやな」 勝ったモン勝ちのスローガン (勝ったモン勝ち) (試合とはそういうもの) END |