39 全国大会が始まりました。1回戦、2回戦と勝ち抜いて、迎えた三回戦。不動峰、という東京の中学校と対戦することになった。 そこには千歳先輩が熊本にいたときに、千歳先輩と二人で九州二翼と呼ばれたもう一人、橘さんという人がいる学校だ。去年の西日本大会で白石部長と謙也さんのダブルスの対戦相手だった人。髪が短いからわからへんかった。 「金ちゃんがまさか1球で相手を棄権においやるとは…」 「さすがやなぁ」 続く謙也先輩と師範の試合。相手の不動峰の人は鬼太郎ヘアーと師範の弟とかいう人。変なオーラを纏った二人に、本気になった謙也先輩と師範はパワーアンクルやパワーショルダーを外して本気モードになった。っていうか、 「あんなんつけてやってたん!?ありえへん」 「でもあれを外した二人には勝てへんやろな」 「いけー!謙也ー!ぎーん!」 再び相手を棄権に追い込んだ。金ちゃんはもっと出来るやつおれへんのー、なんてつまらなさそーに言うてるし。続くシングルス。元九州二翼の対決。初めからものすごいラリーが続いた。すご!千歳先輩って普段ふらふらしてるとこしか知らんから、こない強いとは知らへんかった! 少しラリーが続いたところで、相手の金髪橘さんが自らボールにあたりに行った。 「ひっ!痛そ…」 「かっこええなぁ。けじめやって!あーん、ワイルドで素敵やわぁ」 「小春先輩…」 「浮気か!」 そして千歳先輩の得意技、神隠しと才気煥発の極みで見事勝利を勝ち取った。 「千歳先輩!おつかれさまです!」 「千奈。これからの四天宝寺、頼むとよ」 「え?」 そう言って千歳先輩はにこっと笑った。 そのあと、千歳先輩が退部したということを聞いた。 対不動峰戦 (次勝ったら流しソーメンおごったるわ) ((微妙……)) END |