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「どんどんどどどーん、してんほーじー」

「なんやねん、そのやる気のない応援は!」

「いたっ!ちょっと白石部長、叩かんといてくださいよ!」

「府大会も立派な大会や!ちゃんと応援せえよ」

「すいませんでした」


地区予選を勝ち進み、今日は大阪府大会決勝戦。小春先輩と一氏先輩がダブルスで相手を翻弄し、大勝利をつかみ取っている間、私がてきとーに応援していると、白石部長に叩かれた。だって小春先輩と一氏先輩、完全に相手の人たちで遊んでるんやもん。あれ見たら相手に同情して応援する気もなくなるわー。


「次は財前の試合やで」

「え、財前くんシングルス3なんすか」

「オーダー聞いてへんかったんか?」

「水作ったりで忙しかったんで」

「ほら、ちゃんと応援せえよ」


ダブルス2、1と勝っているうちの学校は、次のシングルスで勝てば優勝が決まる。それが財前くんって!コートに立った財前くんは飄々としていた。


「君が四天宝寺の逸材、財前君やな」

「はぁ」

「悪いけど、所詮2年生や。オーダー間違うたな」

「ふは!挑発するなんて、相手もやるばい」

「千歳先輩、そない呑気な…。あんなこと言うってことは、確実に実力はあるってことちゃうんですか?」

「千奈、見てみんね。財前は顔色一つ変わってないたい。ばってん、相手はイライラしとるとよ」

「なるほど!相手がバカってことですね!」

「んん゛っ!千歳、千奈。静かにせえ」

「「すいません」」


あまりに私がでかい声で相手がバカなんて言うから、思わず白石部長が止めに来た。ほんますいません。私と千歳先輩がしゅんとしていると、財前くんが鼻で笑うのが見えた。


「ま、アイツが言うとおり、自分バカなんちゃいます?」

「何やと!?」

「財前!口には気ぃつけなさい」

「はいはい」


かくして始まった試合は、財前くんのストレート勝ちで、相手を完全に追い込みじわじわといたぶるその姿はまさにドSやと思った。



順調にすすんでおります

(財前が勝ってまうからワイの試合ないやん!)
(ま、しゃーないやろ)
(ワイもやりたかったなー、今の兄ちゃんと)
(お前がやったら間違いなくアイツ即死やわ)



END





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