31 「わ、財前くんやん」 「…はぁ」 「初っ端から溜め息つかんといてよ!」 「何でまたお前と同じクラスで隣の席やねん」 新学期。2年生になり、新しいクラス、2年7組に来るとそこには財前くんがおって、しかもまたもや隣の席やった。2年連続同じクラス隣の席とか…。財前くんファンからしてみればうらやましいんやろなぁ。 「千奈、おはよ」 「おはよ、真衣!また同じクラスなんや!よかったー」 親友の真衣とも同じクラスなんてめっちゃラッキーや!楽しい1年になるとええなー。先生が来て、始業式やということで体育館へ移動していると、誰かに肩をツンツンとされた。振り向けばそこには小春先輩と一氏先輩。 「おはようございます」 「おはよーさん、千奈ちゃん」 「聞いてや、千奈!」 「な、なんですか一氏先輩」 「小春と同じクラスやってん!もう最高に嬉しいわー!」 「んもう、ユウくんってばそればっかりなんやから」 「あーそうなんですか。よかったやないですか」 「せやろ?運使い果たした感じやわー」 「そうですか…」 「千奈ちゃんはどうやったん?」 「財前くんとまた同じクラスでした」 「そうなん?よかったやないのー!光君と同じクラスなんて」 「あーはい、まぁ」 「なんやねん。あんま嬉しそうちゃうやんけ」 「そりゃそうですよ。財前くんと同じクラスやからってええことなんてそんなないですからね」 「そうなん?ま、ええけど。そうや!今年の部活動紹介もおもろいこと考えてるから、もし暇やったら見に来てな」 「行けたら行きます」 「ほな、また部活のときなー!」 小春〜!なんてくっつきながら、一氏先輩と小春先輩は人混みの中へ消えて行った。ほんまに一氏先輩って小春先輩のこと好きなんやなー。教頭のなっがーい話に校長のおもろいギャグ(財前くんは笑っていなかった)も終わり、教室に戻った。 「財前くんは校長のギャグ面白くないん?」 「あれをおもろいと思う人の気がしれんわ」 「財前くんってほんまになんで四天宝寺入ってん」 「家が近かったからや」 「あー。今年、新入部員入るかなー?」 「入るんちゃう?入らな活動出来ひんやん」 「そうやけど。そういえばさっき小春先輩たちが部活動紹介でおもろいことする言うてたわ」 「あー」 財前くんも部活動紹介出るん?と聞くと、出るわけないやんと即答された。どうやら部活動紹介は3年生の人だけでやるらしい。全力で断ったんやろな、きっと。財前くんってお笑いに興味なさそうやし。 新学期が始まりました (どうもー!テニス部ですー!) (まずは我が部長、白石蔵ノ介!) (んんー、エクスタシー!) (……抜け出して見に来たけど、ただの一発芸大会や) END |