25 「ジングルベール、ジングルベール、ふんふんふーふふん」 「はぁ。何で俺がこんな飾り付けやらなアカンねん」 「しゃあないやん、うちら1年生やもん」 あのハロウィンの日が終わり、11月はまったりした1ヶ月を過ごすことができた。財前くんとは相変わらずで、変わったといえば席替えをして席が離れたぐらい。そして12月に入り、今は部室のクリスマスツリーに飾り付けをしているのです。 「クリスマス会は、25日やって!昨日、白石部長が言うとった」 「めんど」 「プレゼントは一人千円までで、当日の分担を今考えてんねんけど…」 「お前、マネージャーの仕事しろや」 「してるやんけ!いっつもドリンク作ってんの私やし」 当日の分担も白石部長から頼まれて考えてんねんから、立派な仕事なんですー、と言うと、財前くんは部長もアホやと言うて、部室から出ようとした。 「ストーップ!え、どこ行くん?」 「え?外やけど」 「いやいやいやまだ飾り付け残ってるし」 「何で俺が手伝わなアカンねん」 「まぁまぁ。白石部長の指名なんやから」 「はぁ」 財前くんは溜め息をつきながらも、ちゃんと飾り付けをしてくれた。しかもさすがA型というべきか、超丁寧やし、しかもセンスのある飾り付けやった。それに比べ私って…うっわー、超大雑把。 「財前くんは、毎年どんなクリスマス過ごしてんの?」 「別に。いつもと変わらへんけど」 「えっ、パーティーとかせえへんの?」 「あー、甥がおるからパーティーはするけどそれぐらいやな」 「財前くんって甥っ子おるん?」 「そうやけど」 知らんかった!今まで財前くんの家庭状況なんて聞いたことなかったから。そっかー。甥っ子おるんや。 「じゃあプレゼント買うてあげたりしてんねや」 「そんなんするわけないやん。俺、子供苦手やし」 「え、」 「っていうかまだ中学生の俺にプレゼント買わすとかありえへんやろ。金ないっちゅーねん」 「確かにそうやけど、でも何か安いもんでも」 「俺かてクリスマスにプレゼントなんてもらったことないわ」 「マジで?」 そうやったんや。私てっきり財前くん家もうちと同じようにクリスマスパーティーしてプレゼントもろて、ケーキ食べてってやってると思ってたけど。どこも一緒っちゅーわけやないんやな。 もうすぐクリスマスです (財前くんに何か別に) (プレゼントあげよう) END |