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ハロウィンパーティー。朝から謙也先輩に会ったかと思えば、財前くんにスカートめくられ、最悪の始まりや。でも、財前くんがちゃんと仮装してきたのには少し驚いた。財前くんの格好はかぼちゃやけど王子様みたいな。ようわからん格好やった。でも不思議と似合っててかっこよかった。


「財前くん、かぼちゃ王子様?」

「知らんわ。袋開けたらこんなん入ってただけや」

「なんか一氏先輩のセンスってすごいよな!財前くん、めっちゃ似合うとる」

「元がええから当たり前や」

「あっそうですか」


財前くんってやっぱ自分のかっこよさ知ってんねやろなぁー。かっこええ人は違うわ。白石部長はどんな格好してんねやろ。さぞかしかっこいいんやろな。そんなこんなグラウンドに全校生徒集められスタンプラリーの台紙が配られた。


「財前くん!どっから行く?」

「どっからでもええんちゃう?」

「うわ!でた!やる気ない発言!」

「ま、しゃーないやん」


やる気のない財前くんと歩き、とりあえず校舎に入った。職員室、校長室、視聴覚室、教室、いろんなとこ行ったけど、全然先生に出会えへんかった。あー、もうおらんやん、なんてまたもやる気ない発言で財前くんと図書室に来た。


「おらんし」

「ええー。うちらだけなんやろか、こないに先生に出会えへんのって」

「出会ってもハズレばっかやしな」

「謙也先輩とかはもうスタンプもらってるんかな?」

「………お前さ、ほんまに何とも想ってへんの?」

「何が」

「謙也さんのこと」


またその質問。何回答えたら財前くんは気が済むんやろ。ホンマに私は謙也先輩のことは何とも想ってへんくて。何とも想ってへんっていうか良い先輩としか思ってへん。


「朝やって謙也さんに可愛い言われて照れてたやん」

「ちょ、どこから見てたん?」

「最初から」

「誰でも可愛いなんて言われたら照れるやん。財前くんだってかっこいいって言われたら照れるやろ?」

「別に。もう慣れたし」

「あっそう!」


これだからモテる奴はアカンねん!もう、ええわ!次行こ、次!って私が行こうとしたら、財前くんに腕を掴まれ、本棚に押しつけられた。


「財前くん!?痛いんやけど」

「お前、男として見たことあるんか?」

「は?」

「男を男として見たことあるんかって聞いてんねん」


っていうか顔近いんですけど!押さえられてる腕が痛いし。男を男として見るってどういうことやねん!男を女として見たことなんてないっちゅーねん!


「こーら、財前くーん。誰もおらんからってこないなとこで襲うのはアカンでー」

「オサムちゃん」

「別に襲ってなんかいないっすわ」

「っていうかオサムちゃんいつからおったん?」

「最初からずーっとおったっちゅーねん。ほらスタンプや」


どこからかオサムちゃんが現れ、財前くんは私を離した。ホンマに何やったんやろか。オサムちゃんからスタンプを貰い、私と財前くんは図書室を後にした。

そして結局、時間内にスタンプを集めることは出来ひんかった。



うまい棒1年分は手に入らなかった

(さっき少しだけドキッとしたことに)
(気付かないフリをした)



END





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