22 文化祭。 財前くんがめんどくさいとサボったのになぜか付き合わされた。でも謙也先輩を誘ってへんって言うたら一緒に文化祭まわってくれるって言うてくれた。なんや、財前くんも優しいとこあるやん! とりあえず2年2組の白石部長のクラスの縁日に来た。確か部長は13時までここおって、13時30分から部活のほうに参加する予定になっとる。そろーっと覗くと、部長が射的のとこにおった。 「白石部長ー」 「千奈に財前やん。えらい早よ来たな」 「まぁ…」 「サボったんか?」 「女装なんてしてられませんわ。コイツは道連れっすわ」 「ほんましゃーないなぁ、お前らは」 「すいません」 「んで?やるんか?射的」 「はい」 「1回50円やで」 チャリンと50円を白石部長に渡し、射的っていっても割り箸と輪ゴムで作ったやつをかまえる。あんまいい景品ないし。あ、ポッキーあるやん!ポッキー狙お。狙いを定めてパーンと輪ゴムを放つも惜しくもかすっただけて倒れへんかった。 「はい、残念。参加賞の飴ちゃんや」 「ありがとうございます」 「財前はやらんのか?」 「やりませ「千奈はホンマ残念やったなー。おしかったなぁー。ポッキーほしかったやんなぁ?50円でポッキー買えるんやったら安いもんなぁ」やりますよ、やればいいんでしょ」 50円を白石部長に渡し、財前くんは私が外したポッキーを狙った。財前くんが放った輪ゴムは見事ヒットし、ポッキーはパタッと倒れた。 「お見事ー!さすが天才財前や!はい、ポッキー」 「ま、当然っすわ」 「すご!えー、さすが財前くんや」 「ほら」 「へ?」 「ほしかったんやろ?やるわ」 そう言って財前くんはぶっきらぼうにポッキーを私に差し出した。私は素直にありがとうとそれを受け取った。そのあとも小春先輩のクラスのたこ焼き食べたり、いろいろ見て回ったり楽しい1日目を過ごした。次の日はもちろん、昨日の罰として私と財前くんは女装喫茶で真面目に働かされたことは言うまでもない。 そして結果発表、見事テニス部の女装喫茶は模擬店部門で優勝した。 木下藤吉郎祭にてテニス部優勝いたしました! (んふっ!) (なんやねん、気持ち悪い笑い方しよって) (みてみて!財前くんの女装写真) (なっ!何でそんなもん持ってんねん) (小春先輩にもらったー!貴重なショットありがとうございます) (返せ!) END |