17


あの体育で怪我した日から少し経った。無事に怪我も治り、今日は体育祭です。放送委員の私は、謙也先輩と一緒にテント下にて実況中。こういうの楽しいから好きや。


「間もなく綱引きのスタートです!最初は1年3組対1年6組と1年1組対1年5組!ここで我が5組が登場です!いやぁ、頑張ってほしいですねぇ」

「あれ、千奈ちゃんは綱引き出えへんの?」

「はい、出ません。私は玉入れとリレーだけです」

「そうなんや。おおーっと!ついに校長が雷管を持って、壇上にあがります!1年生の皆さんは緊張がピークにきていると思いますけども、どのクラスにも頑張ってほしいですね」

「ですね!私達1年生にとっては初めての体育祭!一生懸命頑張りましょう!」

「では、間もなく綱引きスタートです」


校長先生がパーンと鳴らすと、一気に綱を引き始めた。


「おっと!1年3組!滑り出しが好調のようです!6組の人は少し出遅れたか!」

「5組頑張れ、5組頑張れ!血のにじむ特訓を思い出せ」

「1組も負けじと踏ん張る!おっと、1組の怪力と呼ばれるゴウダくんが一気に引く!」

「うぉおあぁぁああ!負けません、5組は負けません!」

「ここで好調だった3組、一人が足を滑らし転倒!これはすかさず6組が形勢逆転です!」

「そしてー、フィニッシュ!終了です」

「結果は、1年6組と1年5組の勝利ですね。3ポイントずつ入りまーす」


中学に入学して初めての体育祭。やっぱりうちの学校はお笑いが中心やから、体育祭でも2、3年生はボケまくり。2、3年生の綱引きはパンっと鳴った瞬間に全員コケたり、綱引きやのに綱押してたり、わけわからんくてめっちゃおもろかった。

なかでもうちの中学名物なのは、お笑い100m走。障害物競争みたいにお題を拾って、そこに書いてある無茶ぶりを全校生徒の前で披露するというもの、おもろかったらゴールでおもろくなかったらスタートからやり直しっちゅー、なんとも過酷なルールなのです。


「さて、間もなくお笑い100m走が始まりますけども。謙也先輩も出られるんですよね?」

「せやねん!しかも俺が小春と対戦やねんで。ほんま勘弁してほしいわ」

「何とこれにはあのエクスタシーな白石部長まで出るいうことで。女子生徒の皆さん、非常に楽しみやと思います」

「さぁ、間もなくスタートです!出場する選手は、ゲートに集合してください。ほな俺も行くんで、あとは3年のお笑いコンビにバトンタッチさせてもらいます」

「これまでの実況は、1年5組葛城千奈と」

「2年4組、忍足謙也がお送りしました」


プツ、と放送を切って私達は放送席を後にした。


「謙也先輩、めっちゃおもろいの期待してますよ」

「アホ!変なフリすんな!」



今日は体育祭です

(なんやねん、さっきの実況)
(財前くん。何が?もしや私なにか問題発言した?)
(ちゃうわ。アホすぎ)



END





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -