16 財前くんに連れられ、保健室に来た。ちょうど授業は終わって、休み時間になった。財前くんがガララとドアを開けて、そしてすぐに閉めた。え? 「何で閉めたん!?」 「いや、何や見たらアカンようなの見てもうて」 なんやねん、それ!もう一度ガララと開けて、私もそーっと覗くと、そこには保健医の白衣を着た白石部長が椅子に座っとった。 「何や財前。さっき閉めたやろ」 「部長がそんなん着てるからっすわ」 「今、保健の先生おらんねん。代わりや、代わり。どないしたん?サボりか?」 「ちゃいます。コイツっすわ」 財前くんはそう言うと私の腕を掴んで、白石部長の前に押し出した。痛いし!もっと丁寧に扱ってほしいわ。 「めっちゃ腫れとるやん。とりあえず冷やそか」 そこ座り、と白石部長に丸イスを指さされ、私はそこに座った。 「体育やったんか?」 「そうです」 「何やったん?」 「バスケ」 「突き指みたいなモンやな。すぐに治ると思うけど、腫れが引かんようやったら病院行きや」 「はい。ありがとうございます」 白石部長は慣れた手つきで湿布を貼ってくれた。白石部長って保健委員やったんやなー。っていうか白衣似合いすぎやろ!あー、ここに携帯あったら写メって友達に売るのにー! 「はい、オッケーやで!それにしても財前が連れてきてくれるとはなぁ」 「別に。たまたまっすわ」 「あ!財前くん、ありがとう」 「別に」 保健委員は白石部長でした (財前も可愛いなぁ) (は?) (いやー、青春やなぁ) (部長、意味わからん) END |