14 今日は部活が休み。 大会やら新人戦やらでほとんど毎日部活だったから、休みなんて最高だよー!というわけで、買い物しに街に繰り出したわけですけども。なぜか一氏先輩と小春先輩が路上で漫才をしているという奇妙な現場に遭遇しています。 「どーも、ありがとうございましたー」 一氏先輩たちがそう言うと、わんさかいる人達から盛大な拍手と笑いが起こった。え、何?路上でこういうのってしていいわけ? 「あれ?千奈やんけ」 「千奈ちゃんやないのー!どないしたん?」 「いや、どうしたもこうしたも先輩達は何でこんな路上で漫才を」 「せっかくの休みやからな、漫才修行や」 「漫才修行?」 「せや!多くの人を笑わしてこそ、アタシらのテニスは完成すんねん」 「え、今のテニスと関係あったんですか?」 「俺らのテニスはお笑いが基本や!」 「はぁ…」 ぶっちゃけ、よくわかんないテニスと路上漫才の関係性は置いといて、私達はファミレスに入った。パフェを頼んだら一氏先輩にお前そんなモン食うんか!とか言われた。 「だってパフェおいしいやん」 「千奈ちゃん、今日は光くんと一緒ちゃうの?」 「ちゃいますよ。えっ、何で私が休みの日まで財前くんとおらなアカンのですか」 「付き合ってるんちゃうの?」 「は、」 え、何それ!何でそういうことになってんの?え、おかしいやろ!どっからどう見ても私と財前くんは友達なわけで。 「まさか!」 「ちゃうんかい。お前、財前とよう一緒におるから付き合ってるんやと思ってたわ」 「一氏先輩まで!」 「だって光くんってめっちゃクールやのに、千奈ちゃんの前やと可愛らしいっちゅーか、いろんな表情見せてるやん?」 「そうですか?私の前でも相変わらず無愛想やと思いますけど」 財前くんが笑ってるところなんて見たことあらへんし。っていうか私と財前くんが付き合うってそれこそおかしすぎて笑える。 「ほな、千奈ちゃんは好きな人とかおらんの?」 「いません」 「謙也は?」 「ええー。それ財前くんにも言われましたけど、別に謙也先輩のことは好きやありません」 「そうなん?謙也とお前、割と仲良さそうやけど」 「その仲良いイコール好きというのは何なんですか」 ラブルスと休日 (ほな一氏先輩と小春先輩は好きな人とかおるんです) (俺は小春や!) (アタシもよ、ユウくん!) (はぁ……) END |