09 大阪に戻り、1週間が経ちました。ついに昨日、先輩らが涙の引退式をして、私達新生テニス部のスタートです。 「おはようさん、千奈ちゃん」 「謙也先輩!おはようございます。早いですね」 「当たり前やん!千奈ちゃんも早いな」 「私は目が覚めただけです。あ、白石先輩はもういてましたよ」 「早いな、白石」 「今日から新生テニス部だからちゃいます?」 謙也先輩は朝から走ってきたようだった。元気やなぁ。いつも走って、疲れへんのかな?しばらくすると一氏先輩が来た。小春先輩よりも前に来るなんて!って言うたら殴られた。痛いよ、一氏先輩。やっぱりこういう日は早いねんな。そして小春先輩が来て、師範が来て、小石川副部長が来て。あれ?財前くんは? 「白石部長。財前くんは?」 「ああ。財前なら、なんや道端で可愛い迷子の子犬を見つけたらしく、飼い主さんとこまで連れてってあげるらしいから遅れるて」 「え」 あの財前くんが子犬!財前くんなんて、子供が迷子だろうがシカトして行くような人やろ!?それが子犬ごときに遅刻て!明らかに嘘ちゃうん?白石部長、信じちゃってええんやろか。案の定、朝練が終わりごろに財前くんが来た。 「すいません、ねぼ、あ、えっと、子犬が迷子で届けてたら遅れましたわ」 「遅いで、財前」 白石部長。明らかに財前くん、寝坊言うたんですけど。っていうかこない大事な日に寝坊するって財前くんって超マイペース。 「財前お前もっとおもろいボケ考えろや」 「遅刻の言い訳にボケも何もないやないですか」 「今のは、そやなぁ、5点ぐらいやな」 「ちぇっ。ええと思ったのに」 え、うちの部活って遅刻でもおもろいボケ考えたら許されるもんなん?初めて知ったわ。こない大事な日に遅刻て!財前くんはやる気あるんかー!でも、こんな日だからこそ、財前くんはあえていつもどおりなのかもしれない。 今日から新生テニス部スタートです (ちなみに一氏先輩なら遅刻したら何て言い訳するんですか?) (あまりに小春が好きすぎて朝からキュンキュンさせられてたら遅刻した) (んー、50点やな) (白石部長の採点基準がわからへん) END |