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「ふおぉー!すごー!」

「はしゃぎすぎや」

「だってだって財前くん!こない広い会場見たことあらへん!」



8月も終わりごろ、私達は東京に来ております。それもこれも我がテニス部は全国大会準決勝まですすんだのです!準決勝の相手は、立海とかいう神奈川県の中学。去年の優勝校です。


「おー。なんや立海さん、ようやく来たで」

「すごい貫禄やなぁ」


なんてうちの先輩方が話しているように、私ら四天宝寺よりも遅れてやって来た。ほんますごい貫禄や。あれが去年の優勝校…。じーっと見ていたら、超美形なお方に、ニコっと微笑まれてしまった。かっこいい……やなくて!強そう。でも、うちの先輩らも白石部長も一生懸命練習してきたんや!絶対勝てる!


「そういえば小春先輩。うちのオーダーはどうなっとるんですか?」

「なんと!蔵リンがシングルス1やねん」

「ええー!白石部長が?」

「さすが蔵リンよねぇ」


部長が誰よりも一生懸命、練習をしてきたのを知ってる。昨日も休みやったはずなのに、白石部長は一人自主練に励んでいた。白石部長にまで繋ぐには先輩らに勝手もらわな!


「がんばってください!」

「おー。おおきにな、千奈ちゃん。頑張ってくるわ」


そう言ってコートに立った先輩。シングルス3の相手は、おかっぱ頭の目のつぶった人だった。目、見えてんのかな?小春先輩に聞けば、2年生らしい。2年生にしてあの立海のレギュラー。今回、立海には3人2年生でレギュラーの人がいるらしい。おかっぱ頭の柳さんは、2年生にしてめちゃめちゃ強い。その人相手に先輩らは良い試合をした。結果は7−5で負けてしまった。


「おつかれさまです、先輩」

「すまんな、負けてしもたわ」

「いい試合でしたよ」


続いてダブルス。あの立海をタイブレークまで追い詰めるも、最後には負けてしまった。次にかかっている。次、負けたらもう終わりだ。さっきから白石部長は一言も話さんでいる。何を思っているんやろうか。

シングルス2はまたも立海2年生の人。黒い帽子かぶってて、とても一つ上には見えないぐらい老けてる人やった。先輩は一生懸命食らいつくも、最後は6−4で負けてしまった。白石部長にまでまわることなく、3年生の先輩らの夏は終わった。




全国大会準決勝、一つの夏が終わりを迎えました

(白石部長の背中が)
(とても小さく見えた)



END





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