03 財前くんがテニス部に入って数日。テニスバックを持って部活に行く財前くんは割りと真面目やと思う。今日も朝練だったのか、眠そうに携帯をかまっていた。そんな財前くんのところへやって来たのは金髪の先輩。 「ざいぜーん!今日な、ミーティングだけやって」 「別にメールで連絡してくれてええですよ」 「わざわざこの先輩様が会いに来てやってんやから、もうちょい嬉しそうにしろっちゅー話や」 私はこの先輩をどこかで見たことがある。どこやったっけ。でもこない金髪な人知らんよなー。そう思って見てたらバッチリと目が合うてしまった。 「おっ、なんや惚れてもうたか?」 「全然」 「冗談やん、冗談!ん?どっかで会うたことある?」 「え?」 私の目をじーっと見る先輩。やっぱりどっかで会うたことあるんや。どこやろ…小学校とか?小学校…… 「「ああ!」」 「思い出した!忍足先生とこの謙也先輩や」 「千奈ちゃんやん!先生の天敵と呼ばれとった」 「やーだ、謙也先輩。それは忘れて下さい」 「二人は知り合いなんすか?」 「小学校が一緒やってん」 「そう!」 いやー、懐かしい!謙也先輩は小学校のときに委員会とかクラブが一緒でよくしゃべってた。何か中学入って金髪にとかしちゃって。変わったなー。誰かわからへんかった。 「何や千奈ちゃん、財前の隣の席なん?」 「そうなんです」 「へー。ええなぁ、財前。毎日おもろいやろ」 「いや、べつに」 「え、ひどくね?」 「そや!千奈ちゃん何か部活とか入ってんの?」 「それがまだ…。なかなか決まらへんのです」 「だったら丁度ええわ!マネージャーやれへん?」 「マネージャー?」 「そ。今年からマネージャー募集することにしてんけど、皆やりたないちゅーてな。どや?」 マネージャーかぁ。どないしよ。マネージャーとは考えたことなかったわ。マネージャーってドリンク作ったり、タオル渡したり、部室の掃除したりする、いわゆる雑用係やんな?うーん、めんどいけど…せっかく謙也先輩が誘ってくれたしなぁー。 「ホンマ頼む!」 「えー。うーん。じゃあやってみよかなー」 「ホンマに!?よっしゃ!ほな今日、財前と一緒にミーティング来てな!あ、やば!授業始まってまう!」 そう言って謙也先輩は風のように去って行った。マネージャーか。頑張ってみよ。 マネージャーになることが決定しました (ってことで財前くん!よろしゅー) (めんど……) (何やて!?) END |