02


事件は休み時間に起こった。


いきなり3年生の先輩、坊主頭で眼鏡の人が教室の前に変な人形を立たせていた。何やってんやろ、ざわざわしながら見ていると、前方からやって来た財前くんを見て、いきなり漫才を始めた。それがまたおもしろくて大爆笑してしまった。おもしろー!あの人めっちゃおもろいやん!最高や!だけど財前くんは表情一つ変えずにいた。


「財前くん。さっきの先輩おもろかったなぁ」

「そうか?」


財前くんって何でうちの中学入ったんやろ。付近の中学ならどこでもええのに。次の休み時間。財前くんがドアを開けたら、そこにおったのは髪の毛が緑色でバンダナのこれまた先輩。しかもいきなり校長先生のモノマネしよった!激似やし!けど財前くんは何事もなかったかのようにドアを閉めた。今日の財前くんはやたら先輩に絡まれている。


「さっきの人、何やったん?」

「知らん」


次の休み時間も、財前くんがトイレに行くときにローラースケートはいた先輩に絡まれていた。いぇーだのふぉーだの、うるさい人や。っていうか廊下でローラースケート履いてるから、先生に怒られてるし。ん?あの人どっかで見たことある気がする。

その次の休み時間も、財前くんは絡まれていた。イケメンの先輩やったけど、完全無視!財前くんってお笑いに興味ないんやろか。廊下に一人残されている先輩がなんだかかわいそうやった。


「今日の財前くん。やたら絡まれてんなぁ」

「ほとんどが先輩やん。何なんやろな」


真衣とお昼ごはんを食べてたら、一人の生徒が廊下で財前と先輩が睨みあってんぞ!と入って来た。野次馬精神旺盛な私は、ダッシュで廊下にでた。そこにはツンツン頭の先輩と財前くん。やややや、喧嘩はアカンでー!そう思ったのもつかの間、ツンツン頭の先輩はすうっと息を吸い込んだ。


「れ、練習だけでも、見に来てちょうちんあんこーう!」


シーンとなる周り。っていうかこの人ら誘ってたんかい!でも財前くん、興味なさそうな感じやったし、やらないんじゃ……


「別にええですけど」


そう言ったあとに、テニス部なんやからテニスで誘えとか超正論を述べて、財前くんは帰りに練習を見に行ったみたいやった。そのあとテニス部で何があったかはわからへんけど、次の日噂で財前くんがテニス部に入ったことと、なんかようわからんけどエクスタシーという言葉が流行りだした。



財前くんはテニス部に入部したようです

(財前くんの顔が)
(前より少し楽しそうだった)



END





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