07 もうすぐクリスマス。社内もツリーをだしたり、クリスマスムードになった。 「はぁー。結局今年のクリスマスも一人ぼっちやー。莉子ちゃんは?謙也くんと予定あるん?」 「あはは、ないよ」 あのとき合コンに参加していた同期の子とツリーの飾り付けをしながら、話す。私と謙也くんはそんな関係ではない。ただの友達だ。蔵ノ介は、あの女の子とクリスマスを過ごすのだろうか。 「山田くん、ちょっと」 「あ、はい」 上司に呼ばれ、ツリーの飾り付けを友達に任せ、私は上司について行った。 「うちの子会社が京都にあるんだが、君そこに異動してくれないかな」 「えっ」 「まぁ、よく考えて返事をくれ」 それって左遷ってことですよね?京都の子会社にとばされる人は出来ない人だと聞いたことがある。はぁー。蔵ノ介に彼女がいることを知って、さらにおいうちをかけるように京都への移動かぁ。京都なら大阪からそこまで遠くはないけど、さすがに大阪に行くことは少なくなるだろうな。でも、今、仕事を失うわけにはいかないし。ツリーの場所に戻ると、同期の子が何やったん?と聞いて来た。 「あー、なんか京都に異動しないかって言われて」 「そうなんや。どうするん?」 「んー。どうしよ」 何もこんな傷心してるときに追い打ちをかけなくても…。私はどうしたらいいんだろ。向いてないのかなー、この仕事。ミスばっかだし。かといって簡単に転職できるような時代でもないし。 ピカピカと点灯したツリーの電飾。 もうすぐクリスマスです (私は何をやっても) (うまくいかない) END |