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「いっけー!」

「うおぉぉ!繭スペシャルダンクシュート!」

「よっしゃぁ!」


ピーッという笛の合図で終了する。今日は球技大会。自分の部活の種目には出られないため、私はバスケに参加していた。元から運動神経が備わっている私は、その実力で見事トーナメントを勝ち抜き、次が準決勝のところまでチームを引っ張って来た。


「繭ってホント無駄に運動神経いいよね!」

「そこしか取り柄ないから!」

「繭バスケ部入ってよ」

「えー、私テニス部だもん」


ごめーん、とバスケ部への勧誘を断り、私はリナと一緒に切原が出るサッカーを見に行った。サッカーをやってるグラウンドに行くと、そこにはたくさんの女子、女子、女子!なんだこれ!


「なんでこんな女子ばっか!」

「そりゃあ切原がサッカーやってるからでしょ」

「嘘!?切原ってそんな人気あったっけ?」

「あるでしょ。あ、」

「え?」

「繭じゃん。何してんだ?」

「丸井先輩に仁王先輩。何してるんですか」

「可愛い後輩の応援ぜよ」

「うそだ」

「おー。ひどいのう。信じてくれないんか?」

「そりゃあ嘘だから信じねえだろぃ。この赤也の試合で勝ったほうと次俺らがやんの!だからどっちが勝つか見てんだよ」

「それでこんな女子が集まるんですね」

「丸井先輩と仁王先輩はサッカーに出るんですか?」

「俺は外は嫌じゃと言ったのにブンちゃんが勝手にエントリーしたぜよ」

「いいじゃねえか!」


試合時間も残り少ないなか、あと1点とればうちのクラスの勝ち。せっかくの球技大会なんだから優勝したい!3年生は怖いけど!切原がドリブルし、最後の最後でゴールを決めようとシュートをしようとする。


「いけー!切原ー!決めろー!」

「片倉!?うわっ」


ゴール直前の大事なところで切原がコケて、無残にも試合は終わり、同点でPKに。何やってんだ切原の奴、ばっかじゃないの!?しかもPKで負けてしまった。


「切原!何やってんだ!バカじゃねーの!?何大事なとこで転んでんだよ」

「うるせーな!お前のせいだからな」

「はぁ!?何で私のせいなわけ!?勝手に人のせいにしないでよ!」

「お前がいきなり来るからいけないんだろうが!」

「せっかく応援しに来てやったのに、その態度!?」

「頼んでねえし!」

「あー、もうほら、喧嘩すんなっつーの!」

「丸井先輩」

「せっかくの球技大会なんだから楽しまねえと」

「もどろ、リナ!練習するよ!」


せっかく応援しに来たのに、何なのあの切原の態度!ふざけんなっつーの!私はイライラしたまま自分のバスケの試合に臨み、そのイライラを全てバスケにぶつけてやったら見事優勝することができた。(3年の先輩にはもちろん睨まれた)



球技大会でもケンカです

(お前がいきなり応援するから)
(動揺して転んだなんて)
(言えるわけねえっしょ!)



END





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