11 終わった、もう人生終わった。 仁王先輩なんて地獄におちてしまえばいいのに。なんて思いを込めて部活中に睨んでいたら、熱い視線を送ってくれて嬉しいのうとか言ってきやがったから、思わず足を踏みつけてやった。そしたら倍にして踏み返された。超痛いし!私、女子だぞ、おい! 「お前、仁王とそんな仲良かったっけ?」 「うわっ、丸井先輩!いきなり現れないでくださいよ」 「わりい。で、お前って仁王と付き合ってんの?」 「は?まさか、そんな、ご冗談を」 「ちげーの?」 「違うに決まってるじゃないですか。あの仁王先輩ですよ!?私で遊んでるとしか思えませんね。あの人は私で楽しんでるんですよ。そうです、私はどうせ仁王先輩の玩具なんです」 「そ、そうか(何があったか知らねえけど、こえー!)」 「仁王先輩のせいで私の人生終わりました」 「げ、元気だせ!なっ?」 「……丸井先輩のばっきゃろー!」 「はぁ!?」 「他人事だと思いやがってー!うおぉーん!」 「は?ちょ、どこ行くんだよ!……アイツ頭大丈夫か?」 私は部活中にも関わらず走って、別にどこに行くあてもなく学校の中まで走って行った。すると、どすっと何かにぶつかった。 「うがっ、すんません」 「廊下を走るとはたるんどるぞ」 「げ、」 しかもそのぶつかった相手が真田先輩。やっべえ!マジやべえ!どうしよ!とりあえず…… 「逃げるが勝ち!」 「なっ、待て片倉!」 「待てと言われて待つ奴がいるかってんだい!」 「待たんかああぁぁぁああ!」 「ぎぃやぁぁぁああぁ!」 今現在の状況、物凄い気迫で追いかけてくる真田先輩から過去にこんなスピードだしたかってぐらい物凄いスピードに逃げる私。だって普通に逃げたら捕まるに決まってんじゃん!だって私、女の子だし☆てへぺろ☆じゃねえ!自分が気持ち悪すぎるわ。 走って走って走りまくって辿り着いた先はテニスコートで。よっしゃかくまってもらおうとしたら見事に柳先輩に捕まえられた。 「ほんと勘弁してください。ほんと逃がしてください」 「逃げていてもお前が弦一郎に捕まる確率は100%だ」 「マジっすか」 「片倉。覚悟はできているか」 「チッ。さーせんっした」 「謝る気が感じられんぞ!そこに正座しろ!」 女子だろうがなんだろうか全く気にせず、真田先輩は私をコートに正座させた。足いってー!ギャラリーがいるコートのど真ん中で正座して説教を受けている私って一体……。 これもすべて仁王先輩のせい (何で怒られてんスか、アイツ) (学校の中を走っていたら真田君にぶつかったらしいです) (うわ、悲惨) (聞こえてんぞ、切原てめえ!) (片倉!真面目に話を聞かんかあっ!) (さーせんっした) END |