| 10 「最悪だ」 「何が」 「仁王先輩に嵌められた」 切原に、私と仁王先輩が付き合ってるみたいな勘違いをされた次の日、私はリナに愚痴っていた。 「仁王先輩、私のこと玩具にしてんだよ。ひどくない？」 「あー、仁王先輩は確実にアンタで遊んでるね」 「やっぱり？」 「で？どうすんの？」 「どうするって？」 「切原に誤解されたままでいいの？」 「そりゃよくないけど…」 でもあのバカの誤解を解くのはそう簡単にはいかないよ。そう言ったらリナはあれしかないでしょ、と言った。 「あれって？」 「告白」 「こ…くは…く」 「そう、告白」 「うえぇぇええぇぇえ！？無理無理無理！何言ってんの！ビックリしたー！」 「大声ださないでよ！うるさい！」 「いった！叩かなくてもいいじゃん！」 「アンタがうるさいからだよ」 「すいませんでした」 いや、でも告白って、そんな、私と切原を何だと思ってんの。明らかずっとケンカばっかしてきた二人じゃん。なのに、告白なんてしてみろ。一生クラス全員にネタにされるわ！ 「無理。無理。むーりー」 「じゃあ一生切原に仁王先輩と付き合ってるって誤解されたままだね」 「う…。それもそれでいやだけど…」 「じゃあ告白だね」 「それ以外でない？」 「ない」 「ですよねー」 だからって告白とか、できるわけないじゃん！自分が切原に告白してるところを想像しただけで気持ち悪い…。じゃあ切原とどうなりたいんだって話なんだけどさ。ふと切原のほうを見たら目が合って、一気に自分の顔が赤くなるのがわかって、思わず頭をぐしゃぐしゃとした。 現状打破 (何やってんだアイツ) END |