07


あの少しだけデレてくれた日以来、どれだけメールしても返ってこんし、会いに行っても相変わらずな態度やし、この間のは夢か?それならばとてつもなく納得がいくって


「納得いくわけないやろがー!」

「うわ、なんやねん!いきなり大声だすなや!」

「何ニヤニヤしながらメール打ってんねん。どぅあーい好きな彼女へのラブメールか?あぁ?」

「べ、別にラブメールちゃうわ!」

「はっ。これだから浮かれすぎスター」

「浮かれすぎスターちゃうわ!スピードスターや!」

「何がスピードスターやっちゅーねん!アホか」

「何でお前今日、そないに機嫌悪いねん」

「知りたいか?」

「お、おう」

「知りたいんか?」

「何やねん」

「女の子特有のアレだとしても聞きたいんか?」

「え、うあ、お、そ、それは」

「何で今日、白石休みやねん!」

「それかーい!」

「は?何やと思ったの?しかもさっきどもっちゃって。相変わらずおこちゃまでちゅねぇ、謙也くんは」

「ちゃうわ!あああアホ!そんなんちゃうわ!」

「はいはい。で、何で今日、白石休みやねん」

「風邪やって」

「アホか!一番健康に気つこてたの白石やんか!」

「まぁ、そういう場合もあるやろ。お見舞いメールしといたれよ」

「わかった。やなくて!白石おらんかったら誰に相談すればいいん?小春ちゃん?それとも財前くん?それか千歳くん?」

「おいおいおいおいおーい!ここにおるやろ!よう事情知っとる奴が近くにおるやんけ」

「え?」

「俺がおるやろ!俺がアドバイスしたるっちゅーねん」

「ええわ。謙也なんかにアドバイス聞くぐらいならいっそのこと自分で何とかしたほうがマシ」

「それひどすぎやろ!」

「謙也さん。別にひどくないっすわ」

「おわ!?財前!何でおんねん」

「CD返しに来ただけっすわ」

「財前くーん!久しぶり」

「久しぶりです。じゃ」

「ちょいちょいちょいちょいちょい」

「何すか(嫌な予感しかせーへんから帰りたいのに)」

「相談に乗ってくれる?」

「ことわr「ぜんざい買うたげよか?」何ですか?相談って」

「うわ、コイツぜんざいに乗りよった!」

「あんなぁー、一氏くんのことやねんけど、どないしたらええと思う?」

「ええー?どないするって言われても」

「やれるべきことは全てやってん!けど、なんちゅーかまだ伝わってへんというか」

「はぁ。(ユウジ先輩が言うてためんどくさい奴って雪さんのことやったんか)」

「もうどないしたらええかわからんねん!どうやったら気持ちって伝わるんかな?」

「そら、もう押し倒すしかないでしょ」

「は?お、おま、何言うてんねん!」

「押し倒す?」

「そうです。ユウジ先輩なんて押しても押してもあんなん無理でしょ。やったら押し倒したらええんちゃいますか?」

「そうか。その手があったか」

「はい」

「わかった!ちょっと行ってくる!」

「先輩、ぜんざいは?」

「あー、ごめん!また今度ね!」

「チッ。謙也さん、代わりにぜんざい奢ってくださいよ」

「何で俺が犠牲にならなアカンねん!」



その7、押してもダメなら押し倒そう



財前くんに言われたとおり、私は一氏くんのクラスまで来た。でも、待て。ここで押し倒すんか?そないなことしたら完璧に変質者じゃね?というわけで一旦教室に戻り、部活の時間になるまで待った。そして部活中。テニス部で一氏くんを観察しつつタイミングを計る。一氏くんが部室に入ったところで、私も部室に潜入した。


「一氏くん!」

「うわっ!?ビックリしたー。なんやねん!何でここにおんねん!」

「やだなー。お休みの白石の代わりに部員を観察しに来てんねん」

「そんなら外でやれや!何で部室に入って来んねん」

「ねぇ、一氏くん」

「何や」

「むふっ」




ぎぃやあぁぁぁあああ!

「な、何事や!」

「ユウくん!?」

「おおおおおまっ、何しとんねん!」

「あーあ。大声だすからバレてしもうたやん」

「こはっ、小春、助けてくれ」

「あらぁーん、お邪魔しちゃったわねぇ?いきまひょ謙也君。アタシたちもええことしよか」

「するか!離せ!っちゅーかお前も離れろ!ユウジ半泣きやんけ!」

「あーあーあー、また失敗してしもた」



押し倒すのはやはり無理がありました

(先輩、ホンマにやったんすか?)
(うん)
(アホやろ)



END





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