04



「興味のある素振りを見せても、何にも変わらへんのやけどー!」

「痛い痛い痛い!髪引っ張んな!ハゲるやろ」

「ハゲ謙也!」

「誰がハゲや!」

「もー!白石ー!どないしたらええのー!?」

「せやなぁ」

「もうユウジなんて無理なんちゃう?潔く諦めろっちゅー話や」

「……謙也なんて別れてまえばいいのに」

「ひどっ」


どっちがひどいんじゃ、ハゲ!うーん、と悩む白石。ええー、まさか白石ももうネタ切れとか?うせやーん!


「あ」

「何、何?何か浮かんだ?」

「ユウジの趣味に合わせたらええんちゃう?」

「一氏くんの趣味に?」

「そうそう。よう言うやん。趣味が合う人がええとか」

「なるほどね!了解!ほな行ってくる!」

「あっ、おい!」




その4、相手の趣味に合わせましょう




思い立ったらすぐ行動。さっそく8組まで来た。さすがにここまでくれば8組の人もまた来たよ、アイツと思っているに違いない。でも私はめげない!一氏くんと付き合うんだ!


「一氏くーん!」

「また来た」

「なぁなぁ、一氏くんの趣味って何?」

「は?」

「だーかーらー!趣味って何?」

「何でお前に教えなアカンねん」

「いいから!趣味って何?」

「ネタ作りや!」

「……それ以外で」

「ない!」


ネタ作りが趣味って!どう合わせればええねん!そこまで聞いてくるべきやった。


「ど、どんなネタ作ってんの?見てみたいナー、なんて」

「見たいんやったら今度のお笑いライブ来たらええやろ」

「そ、そうなんだけど、でも今見たいっちゅーか一氏くんが考えるネタを参考にしたいなー、なんて思ったりしちゃったり」

「盗作する気か!見せるわけないやろ!」

「そこをなんとか!じゃないと先に進めへんねん」

「何が先に進むねん」

「それは、まぁ、企業秘密や!」

「はぁ!?」

「お願い!ねっ?」

「絶対見せへん。盗作なんてさせるかっちゅーねん」

「ケチ!」

「それが人に物を頼む態度か!」

「うるさーい!いいから見せろやぁー!」



私、何か間違ってるのかもしれない

(ただいま)
(おかえり。今度は何をそんなでかいたんこぶ作っとんねん)
(うわぁーん!白石ー!一氏くんに殴られたー!)
(さよか(今度は何しでかしたんやろ、この子))



END





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