03


「むー。あれ以来1回も返事が返って来ないんやけど」

「そりゃお前、嘘つくからやろ」

「ええー」


この間、一氏くんにお笑いのチケットを持っているという嘘のメールを送った日、返事が来てから、一氏くんに会いに行ったら、もちろん何のお笑いのチケットやと言われ、これから取んねん、と言ったら嘘やったんか!どアホ!と怒られた。


「しーらーいーしー!どないしたらええねん!」

「この間のは謝ったんか?」

「謝った。スライディング土下座もした。殴られたけど」

「お前はユウジとどうなりたいねん」

「もちろんそれはお付き合いしたいと思っていますとも!」

「ほなそれをやんわり伝えなアカンわけやろ?」

「うん」

「ならユウジに興味ある素振りを見せたらええんちゃう?」

「なるほど!ちょっと行ってくる!」

「猪突猛進やな、お前は」



その3、興味のある素振りを見せましょう



思い立ったら即行動なため、ぴゅーっと我が2組を飛び出し、8組まで来た。一氏くーんと手を振れば、それはもう心底うざそうな顔をしていた。


「何しに来てん」

「やだなー、仲良うなろうと思って来てるだけやん」

「お前、絶対俺と小春の仲を裂こう思ってるやろ」

「今日は一氏くんにいろいろ質問しよう思ってな」

「人の質問に答えろや!どアホ!」

「はい、はじめまーす。第一問!デレッ!」

「なんやねん、その効果音は」

「一氏くんの好きな食べ物は?」

「何で答えなアカンねん」

「やだなー、それは私が…おっとこれは言えないなぁ」

「なんやねん!」

「ほら、早く答えて答えて!」

「えっ、えっと、オクラや」


へぇー!オクラ好きなんや!意外!よし、メモメモっと。オッケイ!


「では第二問!デレッ!」

「だからその効果音やめろっちゅーに!」

「一氏くんはいつも何してるん?」

「はぁ!?お笑い番組のチェックや!」

「ふーん」


これは予想通りというか…。でもこれはあれや!私が一氏くんに興味あんねんでー、っていうのを伝わらせればオッケイやねん!


「では昼休みも残り少ないっちゅーことで、名残おしいですが最後の問題に行きます!デレッ!」

「別に名残おしくないわ!」

「一氏くんのズバリ!好きな女性のタイプは!」

「小春や!」

「………あのー、女性で」

「小春や言うてるやろ!」

「え、小春ちゃんって男じゃ」

「小春は女じゃ、ボケ!死なすど!」

「ボケはお前じゃ、ボケー!」

「何でお前がキレんねん!」



私が君に興味あることは伝わっているのでしょうか

(おかえり。どやった?)
(やれるだけのことはやった!)
(どうせお前のことやから、またキレたりしたんちゃう?)
(うるさいわ、謙也のアホー!)



END





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