02 「白石ー。何て送ればええと思う?よろしく、とか?」 「まぁ、そんなんでええんちゃう?」 「やーん。緊張してまう」 「力づくでアドレスゲットした奴が今さら何言うてんねん」 「うるさいな、謙也!入ってこんといて!」 昨日、一氏くんからアドレスをゲットした私は、休み時間に白石に何て送っていいか相談した。だって昨日、一晩中考えても、何も浮かばんかってん!ありきたりなよろしくぐらいしか浮かばへんし…。そんなんじゃ一氏くん、返事返してくれへんやろなぁ。 その2、メールを送ってみましょう 「っていうかそもそもよろしく、なんてありきたりなメール、ユウジなら絶対返さんやろ」 「だーかーらー!謙也は入って来るなって言うたやろ!」 「俺は親切で言うてるだけやんけ!」 「でも、それ私も考えてん。白石もそう思う?」 「まぁ…。あのユウジやしなぁ。返事が来るなんてほうが珍しいからなぁ」 「わかった!ほなハテナマークつけて送ればええんやん!そしたら返事送るやろ」 「いや、あのユウジや。適当に見て終わりやろ」 なんやねん、一氏くんって!メールする気ないんか!小春ちゃんと以外はメールせえへんってか!絶対に返事が来るようにメール送ったるー! 「謙也!」 「何やねん」 「一氏くんって何が好きなん?」 「はぁ?小春やろ」 「小春ちゃん以外で」 「小春以外で?なんやろ。お笑いとか?」 「それや!」 「はぁ!?」 私は携帯を取り出し、ピコピコとメールを打った。これなら絶対に返事くるやろ!緊張しながらも送信ボタンを押した。 「ホンマに返事なんてくるんか?」 「くるはず!………きたー!!!!!」 ブーブーと振動する携帯をぱかっと開けると、案の定そこには一氏くんからのメールがあった。 「ありえへん!何て送ったんや!」 「私の辞書に不可能はない!見たまえ!この素晴らしきメールを!」 「どうなん、これ」 To:一氏くん Sub:3年2組一ノ瀬雪です 本文 登録よろしく! あ、そうだ!お笑いライブのチケット2枚持ってんねん。一緒に行かへん?もしこのメールに返信しなければ、小春ちゃんをかっさらいに行く! From:一氏くん Sub:どアホ! 本文 小春は俺のや! お笑いライブは、まぁ、考えといたる… 返事がくれば何でもよし! (ホンマにお笑いライブのチケット持ってんの?) (は?持ってるわけないやん) (お前って何でもアリやな) END |