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「はぁ!?ユウジが好き!?」

「アホ謙也!大声出すなや」

「いきなりユウジの名前聞いて来たかと思えば、好きになったとか…」


昼休み。教室で同じクラスの謙也と白石と一緒にしゃべっていた。私が恋した相手、一氏ユウジくんの部活仲間である二人に協力してもらおうと思って、話したけど、かなりビックリされた。


「だって一目惚れしちゃったんやもん」

「どこがええんや。あんな小春好きの」

「えー、優しいやん。彼女出来て調子乗ってる謙也はええわ。なぁ、白石ー。協力して」

「お前が好き言うんなら協力してやらんこともないけど…。ユウジをオトすんは並大抵のことやないで?」

「小春ちゃん好きやから?」

「いや、それ以前にものすごい鈍感やねん」

「は、まさか」


でも思い出せば、私がお礼を言いに行ったときも、なぜか金を請求するような女に見られたし、自分が優しくしたという自覚はまったくないわけで。ぶつかってそのあとお礼言いに行くなんて、普通わかるのに、わかってへんかったやんな。


「それでも頑張るんなら協力してあげてもええで」

「ホンマに!?私、頑張る!」

「ちょ、ええんか白石」

「しゃあないやろ。本気なんやったら」


よっしゃ!思い切りガッツポーズをしてから、どないしたらええかアドバイスをもらった。




その1、まずはメールアドレスを交換しましょう



白石に言われた通り、メアドを交換すべく、私は8組に来た。普通違うクラスの女の子がわざわざアドレス聞きに来たら、もう好きって言ってるようなもんやんな。ナイスアドバイスや、白石!前のドアからそーっと覗くと、小春ちゃんとお弁当を食べてる一氏くんの姿が目に入った。

うは、かっこいい!

好きと思ってしまえば、なぜかかっこよく見えてしまうもので。この間まで存在すら知らんかったのに。恋ってすごいな。私は足を進めて、一氏くんのところまで来た。


「一氏くん」

「あ?何や、お前。誰やねん」

「覚えてもらえてない!えっと、2組の一ノ瀬雪です」

「何やねん。俺と小春の貴重な時間を邪魔しよって!」

「その台詞も聞くの2回目な気が」

「ユウくん!もっと優しくしてあげられへんの!?」

「小春ぅ〜」

「あ、そうそう。一氏くん、アドレス教えて」

「は?」

「え?」


ぽかんとしている一氏くんを見て、もしや気付いた?と心が弾んだ。けどそれはいとも簡単に崩された。


「お前、俺を通じて小春と仲良うなろうと思ってんやろ!」

「え」

「小春は俺のや!ええか、もう1回言うぞ。小春は俺のや!」


そんなドヤ顔で2回も言わなくても聞こえてるっちゅーねん。そして私は小春ちゃんと仲良くなりたいのでなく、一氏くんと仲良くなりたいねん!


「わかったから、アドレス教えて」

「いきなり態度でかなったな」

「なんでもいいから、教えろ言うてんねん!」

「なんで逆ギレやねん!」



なんとかアドレスを教えてもらうことに成功しました

(あのユウジからどないしてアドレス教えてもらったん?)
(最後には力づくで)
(強引っちゅー話や)
(謙也は入ってこんといて)
(ひど!)



END





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