はじめに



この物語は、私、一ノ瀬雪が恋した相手


超鈍感で小春ちゃん好きの一氏ユウジくんを頑張ってオトそうとする物語です。




事の始まりは、1週間前でした。

平凡に毎日を過ごす私に、同じクラスの謙也が彼女が出来たと報告してきました。正直いらない報告だと思いながらやり過ごしていると、お前は好きな人もいないのかと馬鹿にされたのです。

殴ってやりたいぐらいにイライラしましたが、なんとか耐え抜き、廊下を歩いていると、私が前を見ていなかったからか、それとも彼が急いでいたからかわかりませんが、ぶつかってしまったのです。


その相手こそ、一氏ユウジくんでした。


咄嗟に私が謝ると、彼は怪我はないかと私に優しい言葉をかけ、手を引っ張って起こしてくれました。そして鞄までも拾ってくれたのです。謙也のせいでイライラしていたから、こんなに優しい人がいるのかと、一瞬で惚れてしまったのです。

ですが、名前を聞く前にその人は急いでいるからか行ってしまいました。お礼も言いそびれた私は、なんとかしてその人に出会えないかと、謙也や白石にその人の特徴を言いました。


緑の髪に、バンダナ、すぐに一氏くんだと彼らは教えてくれました。急いで教えてもらった3年8組に行きました。そこには小春ちゃんにベッタリとくっつく一氏くんの姿があったのです。とりあえず8組の人に一氏くんを呼んでもらいました。ですが、彼は私のことは覚えていなかったのです。


「お前、誰やねん!俺と小春の時間を邪魔しよって!」

「え、あの、ぶつかってしまって」

「お前なんかとぶつかった覚えないわ!変な言いがかりつけて、金でも請求する気か?あぁ?」

「は、」

「俺と小春の貴重な時間なんじゃ、ボケ!邪魔すんな」



プツンと、私の中で何かが切れた音がしました。

そう、絶対にこの男をオトしてやろうと思ったのです。


これがこの物語が始まるきっかけになった出来事です。




END





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