06 席替えして、好きな人ができて、失恋して、なんだかそんな今までにない濃いことがあったから大事なことを忘れていた気がする。 「ちゅ、中間テストってなんやねん!」 「中間テストは中間テストやろうが」 「いつからやねん」 「3日後からや」 「だからいきなり部活が休みになったんか!」 朝のHR。いきなり担任であるマサムネから中間テストの話をだされた。忘れてた。テストなんてあることを…。だからいきなりこの間から部活が休みになったんや。うわ、ありえへん。しかも3日後って! 「そうや、一氏。オサムからの伝言や」 「なんや!」 「数学で50点以上とらへんかったらレギュラーから外すらしいぞ」 「なんでやねん!そないにアイツがテストの点数気にするやつやないやろ!お前が決めたんやろ、絶対!」 「お前が数学が相当出来ひんからや」 「鬼教師」 「おーおーなんとでも言え」 このマサムネ数学担当、そして俺は毎回数学が悪いからついにはレギュラーから外すとかいう脅しまで使ってきやがった!50点以上なんて過去に1回もとったことないぞ! 「小春、ほんま頼む!教えてくれ」 「どうしてユウくんはそないに数学が出来ひんねん!ちょっとは自分で勉強しようとか思わへんの?」 「自分でやっても出来ひんから頼んでんねん!小春〜」 「しゃあないわねぇ、ほんまに」 「こ、小春ちゃん!私にも数学教えてくれへんかな」 「まゆちゃんにも?」 「実は私も出来ひんくて…。親に50点以上とらへんかったら携帯禁止やって言われて…」 「ええで!まかしとき!ユウくんもまゆちゃんもアタシが50点以上取らせてあげまひょ!」 「よっ、小春!」 こうして俺達は休み時間に小春から数学を教わることになった。聞いた話によると、上原は毎回数学が最下位らしい。しかも新学期始まったときの課題テストでは0点だったとか。俺も10点やったから人のことは言えれへんけど、やばすぎやろ。だから二人で50点以上を目指すことにした。 君が一緒だから頑張れる (ユウくん、そこちゃう) (え?) (まゆちゃんもちゃう) (うそ) (先が思いやられるわ) END |