25 全国大会が終わり、新学期が始まった。全国大会前にあった登校日にした席替えの結果は今日の朝発表やった。黒板に貼られた座席表。見れば窓側一番後ろやった。しかも隣は小春というなんてラッキーな!せやけど上原とは席は離れてしもうた。あろうことか真ん中の真ん中というど真ん中の一番目立つ席になっとった。前は一番前やったのに運ないんやろか? 「ユウジくんはええなー、一番後ろ。しかも窓側とか最高な席やん」 「ど真ん中の席ってなろうと思ってなれるもんちゃうで」 「なろうと思ってませんー!」 ユウジくんだって次の席替えでど真ん中になったらええんや、と捨て台詞を吐いて、上原は席を移動した。それがなんだか可愛くておかしかった。俺、重症かもしれんな。 「んで?ユウくんはいつ告白するん?」 「あ」 「全国終わったら言うって言ってたやないの!」 「ゆ、言うたけど」 「言わなアカンやんなぁ?」 「こは、ちょ、怖」 「ウジウジすんなや一氏ぃぃ」 全国終わってから、小春が俺に対して冷たくないか?怖いし!でも、言うんや。これは決めたことやから。振られても、気持ち伝えられへんよりマシや。 「上原!」 「なんですかー、ユウジくん」 「まだ根にもってんのか」 「いや、もうそういうわけちゃうけど」 「ちゃうんかい」 「あはは。で?何?」 ケラケラ笑いながら聞く上原に、今日の放課後、残っててくれへんかと伝えた。上原は首をかしげながらも、わかったと言うてくれた。それからの時間はあっという間やった。課題テストなんて何を書いたかなんて全く覚えてへんぐらい、緊張がMAXだった。 人生で初めての告白や。 ただ、この気持ちを聞いてほしいだけ (ほなユウくん頑張ってや) (小春〜!) (くっつくなや一氏ぃ!) END |