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「青少年たちぃー。起きんかい」

「んん…」

「んー」


目が覚めると保健室で、目の前に上原の顔があったからビックリした。でも、嬉しかった。やっぱり好きな人が近くにいてくれるというのは、嬉しいものやと思う。


「ユウジくん、おはよう」

「お、おはよう」

「具合いどう?」

「あーうん。良うなった気がする」

「そっか。よかった。うわ、もう放課後!?」


やばい帰らな、と言って上原は慌ただしく起きあがった。小春がどうやら俺と上原の鞄を持ってきてくれたらしい。小春ってほんま気が利く。やなくて!


「上原」

「ん?」

「その、ありがとう」

「へ?」

「ずっとおってくれたんやろ?」

「寝てただけやけどね」

「それでも、その、嬉しかったっちゅーか…」

「早よ良くなってな!無理したらアカンで、ユウジくん!ほな私帰ります。オサムちゃん、ありがとう」

「気ぃつけて帰りやー」


はぁー。あの笑顔は反則やろ。次々に欲がでてくる自分が嫌になる。もっと一緒におりたいとか、そばにおってほしいとか、触れたいとか、これは風邪のせいでもなんでもなく自分自身の問題や。少ししたら親が迎えに来て。このどアホ!と怒られた。何で風邪やのに怒られなアカンねん。帰りに病院寄って薬をもらい、食後にそれを飲んだらめっちゃ楽になった。


「お前が風邪引くなんてな!ダサいわ」

「うるさいわ!クソ兄貴!お前なんか風邪ひいて死んでまえ!」

「はいはい。早よ寝るんやでー」



俺ってどんだけ普段バカやと思われてんやろ。兄貴にまでバカにされた。ほんまうっとうしいわ。部屋に戻って、携帯を見たら、何通かメールが来とった。白石から、明日は無理せんでええからしっかり休めっちゅーメールや、小春からも同じようなメール。謙也からの風邪なんてださいっちゅー話やというメールには返信せんかった。上原からも無理しないで、というメールが来てて顔がニヤけるのがわかった。






(もし好きやというたら)
(どんな反応するんやろ)



END





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