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「は?ユウジ先輩が熱で倒れた?」

「そうらしいわ。小春が心配やわぁ、言うてた」

「へぇー。ユウジ先輩、ホンマに熱あったんすね」

「何や親が放課後にしか迎えに来れんらしくて今、保健室で寝とるわ。保健の先生もおらんからオサムちゃんがおるらしいで?」

「あの先生、看病とか出来るんすか」

「出来なさそうやな。まぁ、見舞い行こうや」


帰りのHRが終わると、謙也さんが教室に入って来た。何やろうと思ったらユウジ先輩が熱で倒れて保健室で寝とるから見舞いに行こうというものやった。あのユウジ先輩が熱とか…失礼やけど風邪なんて引いたことなさそうやのに。俺と謙也さんは、保健室の前まで来た。コンコンとノックして入るとオサムちゃんが見舞いか?なんて聞いて来た。


「ユウジ具合いどうなん?」

「謙也。寝てるんやから静かにせえ」



オサムちゃんはそう言うと閉まっているカーテンを指差した。謙也さんとそーっと覗くと、そこには寝ているユウジ先輩とそのベッドに突っ伏して寝ているまゆさんがおった。胸が締め付けられる。こない幸せそうな顔をして寝ている二人を見て、誰もがこの二人が想い合っていることぐらいわかる。


「教室戻れ言うたんやけどな、自分のせいやから残りたいって上原が言うてな。許可してあげたらこれや。青春やなぁ」

「オサムちゃーん。ユウくんの鞄持ってきたでー」

「おー、小春。おおきに」

「謙也クンに光クンも!?何しとるん」

「見舞いに来たんやけど…」

「ほな俺は部活行きますわ。ユウジ先輩起きたら、お大事に言うといてください」

「財前っ」


保健室から出た。冷静な俺を保てたやろうか。しばらく歩いたところから走りだした。むしゃくしゃした気持ちをどこにもやることができなくて。






(俺は一体)
(どないしたらええんやろ)



END





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