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「ぅあっ、あ、あっ!」
中で擦れながらズズッと抜けていく感覚が何とも言えないもので、自然と大きな声が出た。と思ったら今度はグッと入ってくる。その度に自分でも信じられないような甘ったるい声が口なんだか鼻なんだか分からないその辺りからひっきりなしに漏れる。
「んぁ、あ、あっ、は……ぁ!」
「ハ……やばいわ。止まらん」
「やぁ! そこっ、あ、あか……んっ」
「ここか? ここがええんか?」
「あっ! あっ、んん……は、あっ」
「花月、自分でも腰動かしとんの分かるか? めっちゃエロいぞ」
「う、るさ……も、あかん」
「イキたいか?」
「ぅんっ、イキたい……っ」
花月の性器に触れる。ちゃんと尻で感じていることが分かるくらいに濡れていた。少しだけ強く握り込んで、腰の律動に合わせて扱く。
「あっんぁ、あっ、ああ」
「お前……エロすぎやろ」
「あ、んっ、んんーっ!」
「……うっ」
ビクンと身体を反らせて、花月は達した。その瞬間に結城の性器も締め付けられて刺激され、小さく呻いて達したのだった。
「……くそ、ガキか俺は」
萎えた性器をずるりと引き抜きながら漏らした言葉は、自身が思っていたより呆気なく射精してしまったことに対するものだった。
気を取り直して精液の注ぎ込まれたコンドームを捨てる。手早く下着とスラックスを正すと、脱力したままの花月を抱いて、風呂場に向かったのだった。
シャワーを浴びながら第2ラウンド……というわけではもちろんなく、これ以上ないほど甲斐甲斐しく花月の身体を洗い、二人仲良く湯船に浸かって温まった。ただそれだけ。
だが思いの外、花月の風呂の世話が楽しかったので、今後も一緒に風呂に入るのはありだな、と結城は思った。
もう我慢する必要はないのだし。
end.
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