05
「……え?」
「誰でもいいんなら、別に俺でもいいだろーが」
「いや、そうじゃなくてさ。急にどうしたの?」
「なんでもいいだろ。早くヤれよ」
服を脱ぎ始める幸介。上半身をすべて脱ぎ終わる直前に、太一がそれを止めた。
「ちょ、ちょっと待ってって!」
「……俺、魅力ない? 興奮しない?」
するよ! するから困ってんじゃん! いきなり、好きな子に抱いてって言われて、服脱ぎだして興奮しない男いないって!
「そうじゃなくてさ……」
「抱いてよ、太一。お願い……」
太一の心臓がドクンッと強く脈打った。
こんな風に幸介を抱きたくないと思う自分と、今すぐにでも押し倒して滅茶苦茶に抱いてしまいたいと思う自分がせめぎ合う。
「……後悔するよ?」
「いいんだ。それでいい」
「……。おいで」
幸介の手を引いて、寝室に入る。ドアを閉めて、その場で脱ぎかけだった幸介のシャツを脱がせた。
幸介が少し緊張していることが伝わる。だが、手を止めずに、ジーンズのベルトやボタンを外して、ファスナーも下ろした。
「ここで全部脱がせんの?」
「問題ある?」
「なんか、ハズい……」
「どうせ、全部見るんだよ?」
そう言い終わるが早いか、ジーンズを下着と一緒に下ろして、幸介の唇にキスをした。
幸介の膝あたりまで下がったジーンズを右足で下まで下ろして、幸介自ら足を抜けと合図するかのように太股を少し持ち上げた。
すべての衣類を脱がし終わると、幸介を興奮させるようにキスしながらベッドへなだれ込んだ。
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