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淡々と進行を続ける森先輩。それに流されて、ずっと俺を睨んでいた隊員の人達も、睨むのを止めて進行に協力してくれる。
「それでは、悠仁様、"宣誓"を」
森先輩は自分の身長に合うように低くしていたマイクスタンドを、悠仁に合うよう高くして、教卓から離れた。
「チアキ……」
悠仁に促されて、2人でマイクの前へと移動する。
「……宣誓……」
いよいよ始まった儀式に、泣き出す隊員も現れる。
「私……神宮寺悠仁は、安藤千秋を唯一の人とし、何者からも守り、歩んでいくと誓います……」
…………? ……なんか、結婚式みたいな感じじゃない……?
「チアキ」
「へ? ……えっ?」
悠仁は俺の頬にキスをした。
「えっ?」
「これで……いいんだよね……?」
「はい。これで安藤千秋君は悠仁様のただ1人の方だと認められました。どうぞ、お幸せに」
森先輩の拍手に釣られて、隊員の人達も拍手をしてくれたけれど、誰も拍手なんてしたくないのだろう。悔しさや悲しさを抑えての拍手のせいか、場は混沌としていた。
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