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 俺が言った言葉のせいで、なんだか呆れているような空気になってしまう。寺門先輩と大木先輩から悠仁が注意をされてしまった。


「おい悠仁、お前、説明もしねーで儀式しようとしてたのか? さすがにそれはねーだろ」

「銀次の言う通りだ。ちゃんと説明してあげなさい」

「んー……わかんない……」


 一応、説明しようと考えてくれたのだが、悠仁自身もよく儀式のことを理解していなかったらしい。


「しょーがないなぁ。僕が代わりに言ってあげるっ。いーい? ちーちゃん、儀式っていうのはねっ、……『コイツは俺のもんなんだよ。手ぇ出したり邪魔しやがったら承知しねぇぞコラ』……ってみんなに宣言しちゃうことだよっ」


 怖っ! 一瞬めちゃ声低かった!


「でたよ、幸介の本性が……」

「黙ってろ、銀次。……あ、それでねっ、月に1回ある集会で親衛隊の前に2人で立って、宣言するんだよっ。だから29日に儀式が終わったら、ちーちゃんは親衛隊から何かされたりは絶対になくなるってことなの」

「は、はぁ」


 親衛隊より坂元先輩の方が怖い。ある意味。見え隠れする坂元先輩の本性? にビビってしまう。


「儀式……してくれる……?」

「あ、うん! もちろんいいよ! 悠仁と友達だってみんなが認めてくれるんだよね?」

「うん……」


 なら、これからは堂々と屋上に行けるわけだ。
 俺達を離れたところから見ている役員の方々がこちらには聞こえない声で話している。……怖いっ。


「……なぁ、なんかあの2人、勘違いしてね?」

「そのようだな。しっかり説明した方がいいのでしょうか?」

「別にいいだろう。あれでも問題はないさ。ぼーちゃんが気に入った相手も、ある意味ぼーちゃんだったってことか」

「あいつらどーなんのかねぇ?」

「恋に発展するのかなっ?」

「まぁ、神のみぞ知るってやつだ。さて、俺は処分を言い渡しに行くぞ」

「では私も、ご一緒いたします」

「あぁ。銀次、幸介、あいつら適当に帰しとけ」

「了解でーす」


 そして、そんなことを言われているとは知らない俺達は……。


「早く29日になんないかな!」

「だね……」


 儀式ってやつ、早く済ませたいなぁー。親衛隊がいっぱいいるのは怖いけど。


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