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「はいはーい。全員クラスと名前を言いなさーいっ。処分を言い渡すまで、寮で謹慎です。今すぐ寮の謹慎部屋に行きなさーいっ」
おかしな口調で話す坂元先輩。内容は重いのに、それがあまり感じられない。
「幸介ー、俺が名前聞いとくから寮長呼び出して」
「うん、わかったっ」
「悠仁、お前はいい加減あの子助けてやれ。縛られてる」
「うん……」
すごい……! 坂元先輩のおかげで張りつめた空気が一気にふにゃっとした。
褒めているのか貶しているのか分からないことで感心していると、やっと落ち着いたらしい悠仁がそばに来てくれた。
「チアキ……」
「来てくれてありがと、悠仁。助かりました」
「ほんとに……なにもされてない……?」
「大丈夫! あの人と話してただけだから」
「あいつ……?」
悠仁は俺の手足の拘束を解いてくれた。『あの人』と指した人物を睨みながら、誰だったかなぁと考えているっぽい顔をしている。
ふぅ! やっと手足が自由になった!
「そうだ……ねぇ儀式ってなんなんですか?」
「……んー…………」
沈黙ながっ!
「おーい、お前らなにやってんだー? とりあえず事情聞くから生徒会室行くぞー」
生徒会室!?
うわぁ、緊張する……できれば、行きたくないかも。
「行こ……」
「……う、うん」
き、ききききんちょー!!
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